結婚を控えるカップルの学びに最適な、『愛し合う二人のための結婚講座―我が家の小さな食卓から』が今月、いのちのことば社から出版された。月刊『いのちのことば』に1年半連載されていた大嶋裕香さんによる「我が家の小さな食卓から」に、書下ろし原稿が加えられ、まとめられた1冊だ。裕香さんは、キリスト者学生会(KGK)副総主事の夫・重徳さんと共に、全国各地の教団や教会が主催する恋愛セミナー・結婚セミナーで奉仕をしている。
夫の職業柄、裕香さんは、若い学生や卒業生たちを中心に、年に100人から200人近い人々を家に招き入れているという。また、裕香さんはこれまで15組のカップルの結婚式の証人を務め、そのたびに自宅の食卓に2人を招き、結婚前に少なくとも3回、結婚後に1回、結婚についての学びの時を持つようにしてきたという。
大嶋さん夫妻とカップルは4人でテーブルを囲み、新しい家庭を形作る備えをする。「全く違う人格と人格とが出会い、結婚し、夫婦となっていく歩みには、本人たちの努力のみならず周りの助けが必要」と裕香さんは語る。この本では、その学びの中でカップルと一緒に考え、その答えを分かち合ってきたいくつかの質問が、分かりやすくまとめられている。質問を通して、家族、教会、仕事、経済についての自分の考えを思い起こすことで、互いをさらに深く知るための対話のきっかけが作られる。妻として、また一男一女の母である裕香さん自身の経験や反省をもとに書かれおり、読む人に強い納得と励ましを与える。
「結婚前に話しておきたい9つのこと」「結婚後に話したい9つのこと」、そして、裕香さんがセミナーでよく質問されるテーマについても、「結婚セミナーQ&A」でまとめられている。結婚を控えたカップルだけではなく、結婚などまだ先のこと、という若い人にもぜひ読んでもらいたい1冊だ。裕香さんも、「独身時代を神様の御前でどう過ごすかが重要な課題」だと記している。将来の相手とまだ出会っていない、これから結婚のことを祈り始めたいという人にこそ、既に結婚の備えが始まっているということを知っておいてほしいのだという。
また、結婚したからといって学びが終わるというのでもない。「結婚とは一生学び続けていくべきもの」だと考える裕香さんは、「結婚後に話したい9つのこと」の中で、夫婦げんか、家庭礼拝、産後クライシスなどの具体的な事柄についても触れている。
神を中心に置き、聖書の御言葉に学び続けていくのが、幸せな結婚生活。神から教えられた、愛し合うこと、いたわり合うことを実践する夫婦の姿は、家庭が壊れゆく今の日本において貴重であるが故に、それだけで宣教になる。各章の学びが質問形式になっているこの本を用いて、豊かな結婚の学びがなされることを期待したい。
『愛し合う二人のための結婚講座―我が家の小さな食卓から』:大嶋裕香著、いのちのことば社、2015年5月18日発行、定価900円(税抜)