サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ国王は6日、サウジアラビアの国王としては初めてバチカンを訪問し、ローマ教皇ベネディクト16世と会談した。パレスチナ・イスラエル間の紛争解決に向けた動きについてなどが話し合われた。AFP通信が7日報じた。
バチカンの発表によれば、両氏はキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の協力に関してや、各宗教間の共存に向けた「知的な対話」の重要性について強調した。一方、ローマ教皇は会談の中で、サウジアラビア国内のキリスト教徒の存在に関しても言及したという。
サウジアラビアではイスラム教ワッハーブ派が国教となっており、国民が他の宗教を信じることは禁じられている。そのため同国の国籍を取得する場合はワッハーブ派への改宗が義務付けられるなどしている。しかし、東部には国民全体の1割程度のシーア派住民がおり、ワッハーブ派から様々な圧迫を受けている。
一方、サウジアラビアのキリスト教徒は公式には存在しないことになっているが、人口の3パーセント強にあたる約80万人がいるとされている。その大部分はフィリピンからの出稼ぎ労働者で、同国内のインド人、韓国人、エジプト人などの中にもキリスト教徒がいるという。