水沢聖書バプテスト教会(岩手県奥州市)の若井和生先生と2009年夏にお会いしたとき、それぞれの背景や興味などを互いに述べ合い、自己紹介をしました。
その際、特に私の印象に残った若井先生の経歴がありました。それは、先生が日本の大学でフィリピンの公用語であるタガログ語を学んだ後、7年の年月をフィリピンで過ごされた事実です。そこには、単に留学先の大学の枠の中だけでなく、それを越えた一般の人々の間での生活がありました。
この貴重な経験は、若井先生の牧会が徹底的に岩手の地域に根差すと同時に、常にフィリピンへも視線を注ぎ続ける営みを可能とさせています。そこから岩手にあって聖書をメガネにフィリピンを読み、書き続ける道を開いているのです。
若井先生のコラムが、近日中に小紙で掲載される予定です。岩手だけでなくフィリピンについても聖書を通して読む読み方を実証してくださいます。
あくまでも岩手に根差し、新渡戸稲造などその地の先達が歩んだ道を、今この時代に歩まんとしている若井先生の筆を通して、岩手という地域を越えて、フィリピンの社会と教会の実態が私たちの目の前に明らかにされていく。そのことを通して、中国や朝鮮の教会の歴史をさらに深く理解する道も開かれることを期待します。
北上聖書バプテスト教会の佐々木真輝先生と水沢聖書バプテスト教会の若井先生という岩手の名コンビが、小紙を通して、それぞれの地域に根差し、苦悩と喜びに満たされて歩む読者・主のしもべ仲間(黙示録22章9節)に、牧会報告を伝えることができる。小紙がそんな役割を果たさせていただけること、うれしいです。
(文・宮村武夫)
■ 水沢聖書バプテスト教会の若井和生牧師に学ぶ:(1)(2)