日本のクリスチャンとユダヤ人の架け橋を築く活動を行っているBFPジャパンが主催する超教派の祈りの会「東京オープンハイナイト」の特別集会が1日、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)で開催された。BFPのスタッフとして、イスラエルの子どもたちの支援活動を行っているシャーリー・バーディックさんが現地からの報告を行い、多くの参加者がイスラエルの人々や子どもたちのために祈りをささげた。
BFPエルサレムフードバンクで里親・キッズプログラムのマネージャーを務めているシャーリーさんは、中国系米国人の5代目クリスチャン。中国・日本で教会開拓を行った祖父の影響で日本への愛と重荷を持つようになったという。2000年にイスラエルを初めて訪問し、イスラエルでの働きへ召しを受けた。3年間BFP本部のIT部門で働き、13年から現在の活動に携わっている。
シャーリーさんは、BFPの働きに対する支援に感謝の言葉を述べたあと、BFPのイスラエル支援プロジェクトの一つ、キッズプログラムの活動について報告した。キッズプログラムは、外国からイスラエルへ戻ってきたユダヤ人家庭や母子家庭など、生活苦にあえぐユダヤ人の子どもたちを対象に支援を行うプログラム。現在は、イスラエル全土の小学校8校、高校4校で支援を行っている。教科書や文房具の提供、課外授業の参加費の負担、学校給食の提供、誕生日やクリスマスにプレゼントを贈るといった活動の他に、歯科保険への加入サポートなども行っている。
キリスト教徒からの迫害の歴史を持つユダヤ人たちは、キリスト教に大きな警戒心を持っており、親たちは初め、シャーリーさんらが行う支援に疑いを持っていたという。しかし、1学期、2学期が過ぎてようやく、これらの支援が愛による純粋な動機によるものだと分かってもらえ、食事を共にする関係にまでなったという。
支援を受けている親たちからの手紙も紹介。参加費がかかるため出られなかった課外授業を子どもたちが受けられるようになったことや、子どもにきちんと食事を与えられるようになったことなど、親たちからの感謝の言葉を伝えた。このような支援によって子どもたちは、自信がつき、以前よりも明るくなったという。
日本からのお菓子や文房具、誕生日カードは、子どもたちにとって最大の贈り物。行ったことのない日本という国を通して、夢を見る機会になっているという。シャーリーさんはプレゼントを渡すとき、「これはみんなのことが大好きな日本のクリスチャンから。いつもみんなのことを心に掛けている」と話すという。そうすることで、「自分が特別に愛されている」ことを子どもたちは知ることができる。日本のクリスチャンが、ユダヤ人の子どもに勇気を与えていることを伝えた。
シャーリーさんは、マタイによる福音書25章40節から、「皆さんがユダヤ人に行った支援はイエス様にしたこと」だと述べ、「多くの支援によって子どもたちの生活が変えられることが、イスラエルの平和につながる」と話した。また、「皆さんにエルサレムに来てもらい、子どもたちに直接会ってもらいたい」と希望を述べた。
シャーリーさんの報告の後、東京オープンハイナイトのチヤプレンである福生ベテル教会の津坂良夫牧師が祈りを導き、「ホロコーストがもたらした世代を超えた苦しみを覚えて」「日本の不登校の子どもたちを覚えて」「キッズプログラムが多くのユダヤ人の心に触れることができるように」の3つを軸に、参加者全員で祈りをささげた。
「ハイナイト」は、世界のクリスチャンとユダヤ人の架け橋を築くために1976年に設立したBFP(ブリッジス・フォー・ピース)が推進する世界的な祈りのネットワーク。「いのち」を意味するヘブライ語「ハイ」と、「夕べ」を意味する英語「ナイト」による造語で、「いのちの夕べ」を意味する。教会単位で行われる「教会ハイナイト」と、超教派の「オープンハイナイト」がある。東京オープンハイナイトは毎月開催されており、次回は6月5日(金)午後2時からお茶の水クリスチャン・センター8階チャペルで。
一方、キッズプログラムでは現在、9月から始まるイスラエルの新学期に向けて支援者を募っている。問い合わせは、BFPジャパン(電話:03・5637・5333、FAX:03・5637・5331、メール:[email protected]、ウェブサイト)まで。