第15回国家晩餐祈祷会(日本CBMC主催)が24日、「我らは御国の協働体」をメッセージテーマに、京王プラザホテル(東京都新宿区)で開催された。国会議員や財界人のほか、教団・教派を超えた教職・信徒ら390人が集まり、日本と世界平和のため、また政治や経済、教会など、さまざまな課題のために心を合わせて祈りをささげた。
冒頭では、カトリック大阪大司区名誉大司教の池長潤氏が開会祈祷をささげ、地方創生担当大臣の石破茂氏があいさつに立った。熊本バンドのメンバーで、新島襄らと共に同志社大学の創設に携わった金森通倫(みちとも)を曽祖父に持つ石破氏は、「何が御心にかなうものなのか自問自答できることは幸せなことだ」と述べ、「少しでも主の御心にかなう働きができるよう、日本、世界のために祈りたい」と語った。
この日のメインスピーカーである東京キリスト教学園理事長の廣瀬薫氏は、今回のテーマにある「御国」と「協働体」に重点を置き、神がクリスチャンを通して何を進めようとしているのかについて語った。
廣瀬氏は、「神の国(御国)」とは、神が創造した世界が、神の御心のままに、本来の姿で生かされている世界だと説明。「誰かが喜ぶために誰かが悲しんだり、誰かが生かされるために誰かが死んだりするのは神の国の姿ではない」と語り、「皆が生かされ、皆が喜ぶことができる世界」が神の国だと語った。
内村鑑三と賀川豊彦の思想に触れ、「自分のせいではない悪いものを背負って他者を生かす」姿勢を話し、「神は、私たちを通して神の国の実現を目指している」と強調。「十字架を担ったイエス・キリストをまねた生き方が、周りの人を生かす」と語った。
そして、地上の全てのものを生かす働きができなかったこと、神以上に大切しているものを持っていることを今こそ悔い改め、クリスチャンとしての任務を実践すべきだと訴えた。最後には、キリスト教もイスラム教もユダヤ教も、全てアブラハムの子孫であるということに立ち返り、今こそ同じ家族として手をつなぎ、互いを生かし合っていこうと呼び掛けた。
続いて、3組の代表者による代表祈祷が行われた。初めには、CBMC国際会長のジェームス・D・ファンスタール氏、日本政策投資銀行代表取締役社長の橋本徹氏、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会主管牧師の峯野龍弘氏がそれぞれ登壇し、聖書の上に手を置き、貧困や格差のない人間が平安に共存できる経済社会のために祈りをささげた。
続いて、韓国国家朝餐祈祷会会長のカン・キョンチョル氏、台湾国家朝餐祈祷会会長のチェン・ウェイワン氏、日本基督教団議長の石橋秀雄氏が、日本の隣国との友好、アジアの平和、世界平和のために祈った。最後に、台湾の霊糧堂全使徒ネットワーク会長の周神助氏、大和カルバリーチャペル主任牧師の大川従道氏が、この地に御国を築くために、御国の協働体をなすクリスチャンのために祈りをささげた。
最後には参加者全員で祈りの時を持ち、ゴスペルシンガーの岩渕まこと氏のリードで、アメイジング・グレイスを賛美。日本福音同盟(JEA)理事長の中台孝雄氏が祝祷をささげた。
ビジネス界への宣教を目的に活動する日本CBMCは、毎年この時期に国家晩餐祈祷会を開催している。CBMC(Connecting Business and Marketplace to Christ)は、米国発のクリスチャンビジネスマンによるミニストリーで、80年以上の歴史を持つ。日本は、1974年に韓国で開催された第1回CBMCアジア大会に参加した数人が、発足会を結成し活動をスタート、現在に至る。