【CJC=東京】教皇フランシスコは11日、「いつくしみの特別聖年」を正式に布告する勅書を公布した。
イースターから1週間後の12日、カトリック教会の典礼暦は「神のいつくしみの主日」を記念する。その前日11日午後、教皇はバチカンのサンピエトロ大聖堂で「神のいつくしみの主日」の第1晩課を行い、その始めに大聖堂入口の「聖年の扉」の前で、特別聖年布告の勅書を全教会の代表に託したもの。
教皇は、着座から2年を迎えた3月13日、共同回心式の中で、「いつくしみの特別聖年」を開催する旨を発表していた。「いつくしみの聖年」は12月8日、無原罪の聖母の大祝日にサンピエトロ大聖堂の「聖年の扉(ポルタ・サンタ)」の開門と共に始まり、2016年11月20日、王であるキリストの大祝日に閉幕する。
バチカン放送(日本語電子版)によると、勅書公布の儀式は、この日の夕方、サンピエトロ大聖堂入口の柱廊で行われた。枢機卿らをはじめバチカンの高位聖職者が参列する中、教皇は「聖年の扉」の前で「いつくしみの特別聖年」布告勅書を世界の教会を象徴的に代表する教会関係者たちに手渡した。
勅書は、「聖年の扉」を開くことになるローマの4大バシリカ(古代ローマ様式の大聖堂)、ラテラノ大聖堂、サンピエトロ大聖堂、サンタマリア・マッジョーレ大聖堂、サンパオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂の首席司祭枢機卿らに、また教皇庁司教省、福音宣教省、東方教会省の長官たち、さらに各大陸を代表する司教らに託された。続いて、プロトノタリオ(教皇庁書記長)の1人、レオナルド・サピエンツァ氏が、勅書の抜粋を読み上げ、聖年の開催方法、意義を明らかにしながら、聖年を回心と刷新の実り多い機会にするよう全教会に呼び掛けた。
儀式の後、教皇は信者らの待つ大聖堂に入場。システィーナ礼拝堂合唱団の歌う聖歌の調べと共に、「神のいつくしみの主日」の第一晩課(前晩の祈り)を捧げた。