世界の飢餓問題に対する人々への意識を高めるため、コリン・ブラネンさん(76)が、英国のニューカッスルからロンドンまでの片道約450キロの道のりを、自転車で往復する旅をしている。
自家用車を持たないブラネンさんは、リバース・エンジニアリング(分解工学)の元教師。この旅でブラネンさんは、途中、自転車をこぐ足を止め、「イナフ・フード・フォー・エブリワン・イフ(Enough Food For Everyone IF)」(IFキャンペーン)という、世界の飢餓撲滅を呼び掛けるキャンペーンについて、道行く人々に語りかける予定だ。現在は、6月8日にロンドンのハイドパークで行われるIFキャンペーンの集会に参加するため、ロンドンに向かっている途中だ。
IFキャンペーンは、英国の国際的なキリスト教援助団体クリスチャンエイドと、約200の他の開発援助団体により後援を受けている。クリスチャンエイドの地区役員として、30年以上携わってきたブラネンさんは、クリスチャンエイドが行っていることや、同団体がIFキャンペーンをサポートしていることについても話す予定だ。
「キャンペーンを行っていくことがますます重要となっているのは、貧困をなくすことは、寄付を募り、ただお金を集めればいいということではないということです。クリスチャンエイドのやっていることは、貧困の中で苦しみ生活する人々にとって、いまだに切に必要とされていることなのです」とブラネンさんは説明する。「私は、貧困に対抗するわれわれのキャンペーンに、政府がもっと協力的になるように励ましたいし、変革をもたらしたいのです」
ブラネンさんが、社会正義の問題への意識を高めるために自転車を走らせるのは、何も今回が初めてではない。1998年には、G8(主要8カ国首脳会議)で話し合われたある議題のために、中部バーミンガムまで走った。そして翌年、ドイツ・ケルンで開かれたG8でも同じく自転車を走らせている。2004年には、労働党の貿易問題のイベントで、ニューカッスルから南部ブライトンまで自転車を走らせたこともある。
クリスチャンエイドのキャンペーン・マネージャーであるアル・ロックスバラ氏は、世界規模の飢餓・貧困を終わらせるため、6月の集会に参加し、自分が貧困撲滅のサポートをしていることを示すようにと、人々に求めている。
「皆が食べられるのに十分な食糧が生産されているにもかかわらず、8人に1人はいまだにお腹が空いたまま毎晩床に就いている現状があります」とロックスバラ氏。「6月17日と18日に、北アイルランドでG8が行われます。ここで何らかの行動を起こすようにと、私たちは英国政府に対し呼び掛けているのです」
「IFキャンペーンでは、発展途上国における法人税逃れを終わらせること、自分の土地から強制的に追い出される貧しい農民たちが出ないように防ぐこと、栄養失調の危機を阻むということを、G8の首脳たちに呼び掛けています」とロックスバラ氏は説明。「ハイドパークまでお越しいただき、世界的規模の飢餓をなくすべく、私たちや他の何千人もの人たちと一緒にキャンペーンに参加することをぜひご検討ください」と呼び掛けている。