【CJC=東京】ケニア東部ガリッサで2日早朝、イスラム過激派の武装集団がガリッサ大学のキャンパスを襲撃した事件で、ケニア政府は2日夜、確認された犠牲者が147人に上ったことを明らかにした。容疑者のうち4人は射殺されるなどして死亡した。所在を確認できていない学生が多数おり、犠牲者が増える可能性がある。
隣国ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織「アルシャバブ」が事件直後、犯行声明を出した。ケニア政府は首謀者とみられる容疑者を特定し、懸賞金約2600万円をかけて情報提供を呼び掛けている。
現地報道によると、アルシャバブは2日午前5時半ごろ、大学構内の学生寮に侵入。警備員を殺害した後、イスラム教徒の学生を外に出し、キリスト者学生だけを選んで殺害した。
学生の1人は「襲撃者は『われわれはアルシャバブだ』と叫びながら、銃を乱射した」と話している。過激派は学生寮で「生き残りたければ部屋から出ろ」とだまし、これに従った学生多数を「処刑」したとみられることが分かった。4日付の米紙ニューヨーク・タイムズが死を免れた学生らの話として報じた。
アルシャバブは4日、「ケニアの都市は血で赤く染まる。長くむごたらしい戦いになるだろう。一般市民が最初に犠牲になる」と、新たなテロ攻撃を予告する声明を出した。フランス公共ラジオが伝えた。
一方、ケニア内務省報道官は事件に関与したとみられる5人の身柄を拘束したと明らかにした。うち1人は大学の警備員だったという。
アルシャバブは、アフリカ連合(AU)の平和維持活動(PKO)でソマリアに展開するケニア軍の撤退を要求、撤退が実現するまでテロ攻撃を継続するとし、「どれだけ予防策や安全対策を講じたとしても新たな殺りくは防げない」と警告した。