ケニア北東部のガリッサで2日、イスラム過激派の武装集団が大学を襲撃し、これまでに少なくとも147人が死亡、負傷者は少なくとも79人に上っている。報道によると、武装集団は、イスラム教徒の学生は除き、キリスト教など他の宗教の学生を選び殺害したという。
AFP通信によると、手投げ弾や自動小銃で武装した覆面の武装集団は同日未明、ソマリアとの国境地帯に近いガリッサの大学を襲撃。寮内で寝ていた学生ら数十人を射殺したあと、イスラム教徒の学生は解放し、キリスト教をはじめ他宗教の学生を人質に取って立てこもった。
同日の日没前、軍の部隊が突入作戦を行い、武装集団4人を射殺した。事件発生からおよそ16時間後の同日夜、ケニアの国家緊急事態対策センターは声明で、147人の死亡を確認したと発表。実行犯全員4人が全員死亡したとして、事件収束を宣言した。一方、現場から逃走しようとした武装集団のメンバー1人が拘束され、取り調べが行われているという報道もある。
ケニアでは1998年、首都ナイロビの米大使館が巨大なトラック爆弾で爆破され、213人が死亡、5000人以上が負傷する事件が発生した。今回の襲撃はその事件に次ぐ規模の惨事だという。
犯行声明を出したアルシャバブは、国際テロ組織アルカイダ系のイスラム過激派組織。20年にわたり内戦が続いていたソマリアを拠点に、イスラム国家の樹立を掲げ、ソマリアと隣国のケニアで自爆テロや襲撃を繰り返している。
AFP通信によると、アルシャバブは、2013年9月にナイロビで発生したショッピングモール襲撃事件にも関与しているという。この事件では、武装集団が、銃を乱射したあと、買い物客らを人質に取って4日間にわたってモール内に立てこもった。67人が殺害され、死傷者は約240人に上った。
今回の襲撃事件を受けてケニアのメソジスト教会では、フェイスブックにコメントを投稿。犠牲者や遺族を覚え、「彼らの傷ついた心を癒やすことができる唯一の神に、私たちの兄弟たちと共に手を携えて祈りましょう」と呼び掛けた。