【CJC=東京】シリア北東部ハサカ県のアッシリア人キリスト教徒が多数居住する町を、過激派組織「イスラム国」(IS)が7日早朝、襲撃した。
ISが2月28日に一帯を襲撃、教会堂を破壊し、キリスト教徒250人を拉致してから1週間後に当たる。米国の支援を受けたクルド人兵士にキリスト教徒も参加、ISとの間に激戦が交わされた。現地はハサカ県を縦断するハブール川沿いにあり、ISにとってはイラクとシリアの勢力圏を結ぶ重要地点だが、多数派のキリスト教徒と少数派クルド族の双方ともISとしては敵対視している。
今回の交戦は、ハブール川の渡河点とされるトール・タマーで行われた。ISの狙いは、昨年6月から支配下においたイラク第二の都市モスルとシリアの拠点との連係強化にあるとみられる。イラク軍も米国の援助の下、モスル奪還を計画しており、現地のキリスト教徒は戦闘激化を控え、脱出するか、クルド族と協力して戦闘に参加するか選択を迫られている。