【CJC=東京】シリア北東部ハサカ県のハブール川流域の村で2月下旬、過激派組織「イスラム国」(IS)がアッシリア系キリスト者220人以上を拉致した。その後、ISが3月1日、拉致したキリスト者のうち少なくとも19人を解放したことが確認された。ただ未解放の人たちをめぐる不安はなお解消されていない。
英国に本部を置くシリア人権監視団体は2月26日、「ISは3日間、シリア北東部の地域を攻撃し、クルド人戦士と衝突し、ハサカ市近郊のキリスト者の住む10の村を制圧した後、220人のアッシリア人を拉致した」と発表した。さらに、「23日、ハサカ県タルシャミラム村で、90人のアッシリア系キリスト者が拉致された」と報告している。
アッシリア民主組織のバシル・サエディ氏は、男性16人と女性3人が3月1日、ハサカ市の聖母マリア教会に無事戻ってきたと述べた。同氏によると、19人は全員タルゴラン村出身。サエディ氏は、19人の年齢が50歳ぐらいかそれより上で、解放には年齢が関係した可能性があるとしている。アッシリア人権ネットワークは、19人は非イスラム教徒に課される税金を払った後、シャリア(イスラム法典)裁判所の命令によって解放されたと伝えている。金額は不明。