賛美。それは神を褒めたたえること。演奏、踊り、歌など、現在さまざまなスタイルが存在し、そして表現は常に技術と共に進歩する。今回話を聞いたのは堀井慶一さん。本紙のインタビューに応えてくれた堀井ローレンさんは彼の妻に当たる。彼は1987年北海道生まれのミュージシャンで、23歳の頃からプロとして活動している。8歳の頃から地元札幌にある教会でベースを弾き始め、10歳で洗礼を受けた。「思春期はいろいろな誘惑がありましたけれど、両親も祈ってくれていたし、『自分の中に神様がいる』っていう芯はぶれませんでした」と生い立ちを振り返る。
音楽に目覚めたのは兄の影響で、ドラムから演奏し始めた。「テクニカルな音楽が大好きでした。今はベースを弾いているのですが、派手な楽器ではありません」と語る。ベースの音はギターに比べると低く単調に感じることが多い。演奏していても音の面白みや派手さはないが、録音した音を聴いて初めて魅力に気づくという。「安心感というか、楽曲に安定感を加える、縁の下の力持ちのようなポジションです」とベースの魅力を明かす。
これまでに、BoAのライブツアーや、国内外のさまざまな著名アーティストのステージで演奏してきた。自身のビジョンについては、日本でクリスチャンや教会音楽が格好良くないと思われている雰囲気を塗り替えたいと語る。
日本では、ワーシップソングは一般の市場にはほとんど出てこない。また、教会で音楽の才能が育てられ、第一線で活躍しているクリスチャンのミュージシャンは多くいるが、彼らの通っている教会が認知されることは少ない。しかし、海外では、クリスチャンのアーティストも出てくるが、教会単位で出てくるところも多い。
「プロでやっているクリスチャン・ミュージシャンがもっと教会にコミットし、その経験を生かして若い世代を霊的にも技術的にも弟子訓練していくべきだ。『どうせ教会でやっても・・・』とか、『外でやったほうが楽しいから・・・』って空気を壊したい。教会って、すごく楽しくて格好良くて、パワフルな場所ですよ。神様に仕えることってこんなにエキサイティングなんだってことを伝えて、僕らから火を付けていきたい」とビジョンを語る。
教会で演奏される曲についても新旧や良し悪しではなく、「今のニーズに合っているかどうか」だと思うと堀井さんは言う。結局、一番大切なのは音楽のスタイルではなく、どんな心をもって演奏するか、神が喜んでくれるものかどうかだと言う。「僕もクリスチャンの家庭で育って、教会音楽やワーシップソングを聴いて育ちました。だから、先人たちの起こした革命のすごさは分かっています。でも、その音楽は当時は最先端であっても、時が経てば当然古くなります。聖書にある通り、僕たちは新しい賛美、その時代の賛美を奏でていく必要があると思います」と、自分たちの世代も同じようにクリエイティブである必要性を語る。
「神様って、格好良い存在だと僕は思ってます。今は最新のアイフォン持っていたら自慢し合っていますが、そのうち『へ? 神様を知らないの?』って言うくらいに、神様を伝えて有名にしていきたいし、身近で格好良い存在にしたい。『神様に従うのが最先端』というくらいになるまで」と熱く語った。
堀井さんは現在、家族と共に東京都板橋区にある教会、ニューホープ成増に通い、他のクリスチャン・ミュージシャンと共にディボーションを行いながら、プロのベーシストとして活躍し続けている。活動の詳細はホームページで。