春の火災予防運動を前に、先日の小雨が降る中、新宿の繁華街で大規模な消防訓練と消防演習が行われました。私は消防団員として、支援のため参加しました。
ハシゴ車を使っての本格的な救命救出訓練は迫力満点でした。ロープ一本でビルの壁面を登ったり降りたりする姿はまさに圧巻でした。一日消防署長は新宿郵便局局長が務められました。新宿消防署長の講評は絵に描いたような名演説でした。たくさんの方が動員されて、力を合わせて訓練や演習を行いました。日頃から、このように行うことで、気が引き締まり、いざという時の心備えができます。みなさんの地域、学校、職場などで防災訓練を行うことがあると思いますが、積極的に参加し、いざという時の備えをして行きたいものです。
私の住む大久保では、SOS(新宿大久保ストリート)教会防災ネットワークがあります。定期的に集まって話し合いをし、学び、備えをしています。これは火災というよりも、首都直下型地震に対する備えではありますが、あらゆる不測の事態や有事の発生に備えることは大切です。聖書は、「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなた方に求めておられることである」と語ります。それは、「ケ・セラ・セラ」と、「何とかなるさ」というような単なる楽観的であることとは違います。どんな時にも、感謝しながらも、最悪を想定し、それに備えることが同時に必要です。
「イエスは彼らに答えて言われた。『・・・戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです』」(マタイ24:4~8)
聖書は、「やがて戦争が始まり、地震やききんがやって来る」と語ります。恐れる必要はありません。それに備え、神を信頼し、神と共に一日一日を生きていきましょう。
戦争や地震・ききんという有事がやって来たからといって、いきなり終末が来るのではなく、産みの苦しみの始まりだと聖書は教えます。時々、「○月○日に世の終わりが来る!」と、いがわしいことをいう人がいますが、信じる必要はありません。終末は必ず来ますが、神以外、終末が来る日時は誰にも知らされることはありません。あるカルト宗教は、終末の日時を特定し、脅かして信じさせて信者を獲得したり、財産を寄付させたりすることがありますが、詐欺以外の何者でもありません。
産みの苦しみとは何でしょうか。私には4人の子どもがいます。その都度、産みの苦しみを体験したわけではありませんが、妻の産みの苦しみをそばで見てきました。産みの苦しみは、最初から最大の苦しみがやって来る訳ではありません。比較的弱い苦しみが時間をあけてやってきます。これから起こる有事は、その産みの苦しみの始まりに当たります。その後、少しづつ強い苦しみが、その間隔を狭めながらやって来ます。最後は、苦しみの極限状態が続いて、赤ちゃんが産声をあげて誕生します。終末は、このような苦しみのサイクルが何度も繰り返されて、その苦しみが次第に強まっていき、間隔が狭まっていき、やがて終末が来ます。
終末の備えはただ一つ、「イエス・キリストを信じて救われること」です。ぜひ、日頃から不測の事態に備えて訓練し、備えましょう。そして、イエスさまを信じた人は、すべてを神に委ね、いつも喜び、絶えず祈り、すべてのことに感謝し、互いに愛し合いながら今日も歩んでまいりましょう。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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