キリスト教系人道支援団体「サマリタンズ・パース」は、同団体のプロジェクトである「オペレーション・クリスマス・チャイルド」(OCC)を通して、2014年度は、世界中から1044万333箱のシューボックス(靴箱)が集められたと発表した。このうち、日本では1万34箱が集められ、フィリピンの子どもたちに贈られたという。集められたシューズボックスはすでに998万箱が112カ国で配られ、現在もフィリピンを含む100カ国以上でプレゼントの配布が続いている。
OCCは、戦争や飢餓、貧困に直面する100カ国以上の子どもたちに、クリスマスプレゼントをいっぱいに詰めたシューボックスを贈るというプロジェクト。1993年から始まり、同団体のサイトによると、この20年間の活動でシューボックスを受け取った子どもたちは1億人以上に上るという。
日本のOCCプログラムマネージャーであるローレンス綾子さんによると、日本でのOCCの働きは、東日本大震災が起きたとき、東北支援のためにサマリタンズ・パースが事務所を設立したことがきっかけで始まった。そして、最初の贈り先として、日本から近く、現地チームが安定していることから、フィリピンが選ばれたという。
仙台市にある常盤木学園高等学校のサッカー部も毎年100箱以上を贈っている。女子部員が、仙台市の田中敬康(ひろやす)牧師の集会に出席したとき、ちょうどOCCのブースが出ており、そのチラシを持ち帰ったことがきっかけだったという。昨年も前年に引き続き、パッキングの手伝いをしてくれたことが、同団体のフェイスブックで紹介されている。
また、同団体のサイトでは、シューボックスが子どもたちへ届くまでの様子が紹介されている。一方、国によっては政治情勢や法律が複雑だったり、さまざまな違いがあり、シューズボークスを届けるのに苦労する場合もあるという。
ローレンスさんが、西アフリカの国、ギニアビサウの牧師に聞いたところによると、同国では2012年、港に到着したシューボックスのコンテナを出そうとしていた矢先に軍事クーデターが起きてしまったという。そのため、それまで税関と取り決めていたことが全てひっくり返ってしまった。その後だいぶ遅れて、シューボックスは子どもたちに無事配布されたというが、コンテナをなかなか税関から出せなく、苦労したという。
同団体では、シューボックスの配布と並行して12週間のバイブルスタディー(TGJ:The Greatest Journey)も実施している。今回も、すでにシューズボックスが配布された112カ国で、バイブルスタディーが行われた。そこで修了した98万人の子どもたちが、イエス・キリストを信じる祈りをしたという。ローレンスさんは、「以前シューボックスを受け取った子どもたちが、今ティーンエイジャー(10代)になり、12週間のバイブルスタディーの先生を務めながら、チームを組んで次世代を建て上げていたのが印象的でした」と話す。
「プレゼントの一つ一つは、イエス・キリストの福音を分かち合う機会にもつながる」と同団体は言う。また、プレゼントを受け取って、自分が大切な存在であることを実感し、イエス・キリストにある永遠の希望を受け取っていると報告している。
2015年度のシューボックスの受付期間は、11月17日から21日を予定している。詳細は、同団体のウェブサイトで。