キリスト教徒の母親で、昨年スーダンで信仰のゆえに死刑判決を受け拘束されていたメリアム・イブラヒムさんが、「キリストを恥としないことが意味すること」を示したとして、2月中にも全米宗教放送協会(NRB)賞を受賞することが決まった。
「メリアム・イブラヒムさんは、キリストを恥としないことが意味することを示す現代の見本です」と、NRB会長兼代表のジェリー・A・ジョンソン氏は述べた。「私たちは、イブラヒムさんの人生に対する神の守りを共に喜ぶとともに、2015年のNRB賞受賞者として迎えることができることを光栄に思います」
スーダンのイスラム教政府は昨年、イブラヒムさんを背教の罪と米国人キリスト教徒のダニエル・ワニさんとの結婚を姦淫の罪だとし、むち打ち100回の刑と死刑に処する判決を下した。イブラヒムさんは幼い息子を刑務所で育て、また2人目の子どもを獄中で出産することを強いられた。
イブラヒムさんは、キリストへの信仰を捨てイスラム教に改宗するなら、死刑は免れると告げられた。しかし、イブラヒムさんはそれを拒み、自分がキリスト教徒として育てられ、初めからキリスト教徒であったと説明した。
国際社会からの圧力の高まりを受け、スーダン政府はイブラヒムさんの判決を取り消すことに同意し、昨年6月24日に釈放した。
偽造旅券を所持していたとして再び拘束されたが、イブラヒムさんは、イタリア政府の協力により、家族と共にスーダンからイタリアへ出国することができた。この時には、釈放を求める署名活動をし、祈ってきた何千人もの人々の祈りが「答えられた」として、複数の迫害監視団体がその出国を祝いった。
「法と正義のためのアメリカンセンター」(ACLJ)のジョーダン・セクロウ代表は、イブラヒムさんの家族がイタリアへ出国した際、「ACLJは世界中の国家や組織と協力し、メリアム(・イブラヒムさん)とその家族の基本的な信教の自由の権利のために闘いました。米国の方々の揺るぎない貢献により、4人は現在イタリアで安全に滞在しており、すぐにでも渡米することを願っています」と述べていた。
イブラヒムさんは現在、家族と共に米ニューハンプシャー州に住んでいるが、いつかスーダンに帰り、宗教的迫害に面している人たちのための運動を起こしたいと願っている。
イブラヒムさんは拘束中の時を振り返り、「困難の時で、筆舌に尽くし難いです」と英BBCに語っていた。しかし、「スーダンには私が面していたよりももっと悪い状況に置かれている人もいます」と言い、「悲しいことに、これらはみな法の名の下に行われてきました。ですから、(スーダンで)法は人々を保護するのではなく、害をなしているのです」と語っていた。
NRBは、今月25日にテネシー州ナッシュビルで、イブラヒムさんに賞を授ける予定だ。