【CJC=東京】デンマークの首都コペンハーゲンで14日、「表現の自由」を語り合う集会会場のカフェ「クルットエンデン」に約30発の銃弾が撃ち込まれた。
「クルットエンデン」はミニコンサートも開かれる文化施設。集会には、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を描いた隣国スウェーデンの画家ラーシュ・ビルクス氏(68)が参加していた。しかし容疑者は狙いを絞らず乱射、参加者の男性(55)が死亡、警戒中の警官3人が負傷。容疑者は奪った乗用車で逃走した。
厳戒態勢の中で、「クルットエンデン」から約3キロ離れたシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)が襲撃された。容疑者がシナゴーグの外で警備中の若いユダヤ人男性と警官に発砲。男性を殺害し、警官2人を負傷させた。その後、容疑者は徒歩で逃走、中心部の駅近くで警察に職務質問を受けた際に突然発砲し、応戦した警察官に射殺された。襲撃は両事件とも単独犯とみられ、同一容疑者の犯行の可能性が大きい。
ユダヤ教関連施設も狙う連続テロは、パリで起きた週刊紙シャルリーエブド本社襲撃に始まる一連の事件と共通している。コペンハーゲン警察は「同じシナリオを計画していた可能性もある」とみている。
仏週刊紙襲撃事件で犯行を認めた国際テロ組織アルカイダ系「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)は、2013年に攻撃対象リストを明らかにしていたが、それには、今回の事件で狙われたとみられる画家ラーシュ・ビルクス氏を含む画家や編集者の名前が並んでいる。