米国で4年前に始まった聖書通読運動「バイブル・チャレンジ」が、一種のムーブメントとなっている。一年で聖書全体を通読するコースに、数十万人もの人が参加を約束している。
この運動は、2011年にペンシルベニア州で牧会する聖公会の聖職者が、会衆に対し同名の本を用いて、聖書通読をするよう招いたことに端を発する。
ペンシルベニア州フォートワシントンのホワイトマーシュ聖トマス教会のマレク・P・ザブリスキー教区牧師は、「『バイブル・チャレンジ』は私の最も無謀な期待を超えて広まっていきました」と話す。
「私はあるとき、聖公会をはじめとする主流派のキリスト教徒の伝統として、聖書を読むことが優先順位の後ろに追いやられていることに気づきました。私たちは、社会正義や他の重要な物事について極端に焦点を当てていたのです」とザブリスキー牧師は言う。
「私たちはこの辺りの多くの地域のキリスト教徒の指導者ですが、聖書を普遍の原則として据え置くことに関しては実質的に大きく遅れたのです」
ザブリスキー牧師は、米国聖書協会での働きを通して、「規則的に聖書に接することが霊的なツールの筆頭であるが、聖公会や主流派のキリスト教徒はしばしば他の領域に多くの時間と努力を費やしている」ことを示した研究に触れたと加えた。
「私たちは教会でたくさん聖書を読みますが、米空軍の研究によると、人間は聴いて72時間後には、聴いたことの5〜10%しか記憶に残っていないことが分かったのです」とザブリスキー牧師は説明する。「私は教会で大きな声で読まれたものに関しては、もっと少なくしか残らないだろうと考えています。というのは、聴衆の注意をそらす要素が絶対に存在するからです」
ウェブサイト「inquistr.com」では、その論説で「バイブル・チャレンジ」が取り上げられ、その広まりが紹介された。
「その実践は急速に広まった。ムーブメントは2011年、マレク・ザブリスキー牧師によって始められた。ザブリスキー牧師は聖公会の会衆に、一年で表紙から裏表紙まで聖書を通読するよう勧めた」「このムーブメントには、今や40カ国の2500の教会から50万人以上が参加し、ザブリスキー牧師が『バイブル・チャレンジ』と呼ぶことを行っている」と、inquistr.com の論説にはある。
ザブリスキー牧師は、「バイブル・チャレンジ」への関心の高まりを示す他の要素、つまり教会からのサポートも増えてきたと話す。「今や参加を検討する教会や、個人的に参加を考えている人からの問い合わせがない日はありません」
「バイブル・チャレンジ」の目的について尋ねると、ザブリスキー牧師は、参加した人の「人生が変わること」を願っていると答えた。「『バイブル・チャレンジ』を世界に広めるために私が創設し、時間を割いて運営している聖書研究センターの使命は、終生毎日聖書を読み続けられる霊的習慣を身に付けるように、できる限り多くの人を助けることにあります」とザブリスキー牧師は言う。
「私たちは個人や信仰のコミュニティーが神の御言葉への愛を発見し、聖書に触れずに終わる日を一日として望まず、神の御言葉によって明快な分別、インスピレーション、慰め、力、導き、希望、愛を生活の中で体験できるように手助けしたいのです」