クリスマスといういと、もみの木やサンタクロース、飼い葉桶、家族の集まり、テレビの特別番組、そしてプレゼントを開けることなどを連想する人が多いかもしれない。だが、技術的に大きな成功を収めたキリスト教の宣教団体によると、この時期はより多くの人が聖書を読む時期にもなりうるという。
ダウンロード数が1億6千万件を超える聖書アプリ「YouVersion(ユーバージョン)」の監修者であるボビー・グリューネワルト氏は、12月には聖書アプリの利用数が増加すると言う。
「アプリのインストール数、読まれる章、しおりやハイライトの数、シェアされた節などのデータを見ると、世界中の聖書と人々の関わりについて気づくことがあります」とグリューネワルト氏。「毎年、聖書通読の約束はクリスマスの時期に跳ね上がり、これまでのデータによれば、人々が聖書を読むにつれ、1月に入ってもなお増加し続けます」と言う。
グリューネワルト氏は、この増加が「人々が、今祝っていること(クリスマス)の深い意義とつながりたいと、心から願っているから」だと考えている。
「毎日の聖書を読む時間から、私たちはイエスの誕生と、それが今日の私たちの人生にどんな意味を持つかを顧みることができます。そして新年になると、人々は新たに毎日聖書を読む時間を取るという目標を立て、スタートしようと決心するのです」
また、グリューネワルト氏は、「1年のうちのこの時期に起こる別の要素としては、クリスマスに新しくタブレットやスマートフォンを手に入れる人がいるため、これがアプリのインストール数の増加につながっているのです」と話す。
グリューネワルト氏によると、クリスマス前のアドベント(待降節)シーズンに加えて、イースター(復活祭)やレント(受難節)の時期にも、YouVersion の利用が増加するという。
クリスマスシーズンにおける聖書を読むことへの関心の高まりは、YouVersion の統計値からは示されるものの、他の団体でも常にこの現象が見られるわけではないようだ。
米国聖書協会のコミュニケーション担当主事であるアンドリュー・フッド氏は、クリスマスシーズンであっても、「協会のサイト『Bible.org』のオンライン通読でも、聖書の検索ツールでも、特に利用数の増加は見られません」と言う。
「私たちは、イエスの誕生のストーリーを読むために、クリスマスシーズンに先立って聖書を手に取ったり、お気に入りの聖書サイトやアプリにログインすることを強くお勧めします」とフッド氏。「米国聖書協会は今年、人々がクリスマスを祝う理由を思い起こすために聖書に戻り、キリストの誕生という希望をもって新年に向かっていけるよう願っています」と言う。
一方、フッド氏によると、イースターの時期には米国聖書協会でも、サイトの利用者が増えるという。「米国聖書協会では、イースターの時期に『Bible.org』での通読や聖書の検索ツールの利用数の増加がよく見られます」