米カリフォルニア州にあるメガチャーチ、サドルバック教会の主任牧師で、米国の福音派のリーダー的存在であるリック・ウォレン氏。著書『人生を導く5つの目的』(原題:The Purpose Driven Life)と『健康な教会へのかぎ』(原題:The Purpose Driven Church)は、世界中で数百万部を売り上げている。そのウォレン氏が、プロテスタント教会とカトリック教会との懸け橋を構築しようと試みているが、一部の保守派からは非難の声が上がっている。
カトリック・ニュース・サービスは最近、ウォレン氏の動画インタビューを公開した。ウォレン氏は動画の中で「私たちは、私たちを分裂させているものより、はるかに共通点を多く持っている」と発言した。
「ペンテコステ、カリスマ派、福音派、根本主義、カトリック、メソジスト、バプテスト、長老派・・・の皆が、三位一体を信じていると言うでしょう。私たちは聖書を信じ、復活を信じ、イエス・キリストを通して救いがあると信じています。これらが大きな問題なのです」
「プロテスタントの信徒は、カトリック信徒がマリアをもう一人の神であるかのように崇拝していると思っています。しかし、それは正確にはカトリックの教義ではありません」
ウォレン氏はまた、プロテスタントが否定している、カトリックで聖人に対して祈ることについては、「彼ら(カトリック信徒)が言っていることが何を本当に意味するかということを理解すると、(プロテスタントとカトリックの間には)共通点がずっと多くあるのです」と語った。
「それでもまだなお、(両者の間には)はっきり異なっている点は依然として存在します。それには疑いの余地はありません。しかし最も重要なことは、イエス様を愛しているならば、私たちは同じチームにいる(仲間である)ということです」
ウォレン氏は、現実的に教会の一致は「構造的な一致ではなく、使命の一致であるべきです。そして、私たちは命の尊厳、性の神聖さ、結婚の神聖さを守り、提唱していくという点で同じフィールドにいる共働者です。ゆえに、私たちには大きな共通点があり、これらの3つのことに関して言えば、そこに相違はないのです」と述べた。
先月、ウォレン氏は、米南部バプテスト連盟(SBC)倫理信教自由委員会(ERLC)委員長のラッセル・ムーア氏と共に、バチカンで行われた「男性と女性の相補性」に関する会議に参加した。ウォレン氏の発言は、福音派に対し好感を示すローマ教皇フランシスコと同調し、教会内部の規定に異なった視点をもたらした。
一方、キリスト教弁証学研究ミニストリーの会長で創設者であるマット・スリック氏は、動画内でのウォレン氏の発言を非難するコメントを同団体ウェブサイトに掲載した。
スリック氏は、「(ウォレン氏が)プロテスタントの牧師としてローマ・カトリック教会を支持したことで、人々に説得力を与えてしまった。今回のことは、聖書に忠実であるプロテスタント、その牧師として決してあってはならないことだ。私が結論付けなければならないことは、ウォレン氏が御言葉を真剣に取っていないこと、またローマ・カトリックの、救いに関するいまいましい教えについて彼が理解していないということだ。リック・ウォレン氏は悔い改める必要がある」と非難した。