【CJC=東京】カトリック香港教区名誉司教のジョゼフ陳日君(ゼン・ゼーキウン、82)枢機卿が3日、民主派デモの共同発起人たち3人に同行して警察に出頭した。2カ月以上続き、デモ隊と警官隊の衝突が激化している香港市街での抗議行動を終わらせるよう呼び掛ける狙いと見られる。米カトリック通信CNSが報じた。
ゼン枢機卿は警察署内に約1時間ほどいたが、外へ姿を現した後、香港の民主主義のために祈るよう市民に呼び掛けた。
香港中心部のビジネス街の道路を占拠した民主化運動グループ「オキュパイ・セントラル」(中環地区を占拠せよ)は、香港大学で法学を講じる戴耀廷(ベニー・タイ)准教授とバプテスト教会の朱耀明(チュー・イウミン)牧師らが発起人となり、香港政府と中国中央政府に香港での真の民主主義を実現させることを目指して活動してきた。抗議行動は、本土政府が2017年の香港行政官選挙の候補者を都合良く選ぼうとしていると主張して行われた。
ゼン枢機卿は11月下旬、自身のブログに、民主化への闘争は長い時間がかかるかもしれないが、「ダビデがゴリアテを石で打ち倒したように、奇跡は起こるかもしれない。そして、ベルリンの壁が25年前に崩壊したことは誰も予想していなかった」と書き込んでいた。