ルーテル世界連盟は17日、同連盟のウェブサイトで、民主的な選挙を求め学生主導の抗議活動が続く香港について、香港福音ルーテル教会(ELCHK)のチュンワ・チャン監督の声を伝えた。ELCHKは、9月30日に「香港の継続的な安定の維持を呼び掛ける」という声明文を、そして10月5日には「平和的なデモ参加者たちに対する暴力の行使を非難する」という声明文を、それぞれ公式サイトで発表している。
香港を統制する中国は、2017年に行われる香港の行政長官選挙の候補者を精査することを決めた。この支配に反対し、学生主導のデモ参加者たちが抗議活動を行っており、何千人もが街に繰り出し、それは「雨傘運動」とも呼ばれている。警察がバリケードを撤去し始め、抗議活動家たちに唐辛子スプレーを使い出したことから、ここ数日衝突が発生している。
ELCHKのチャン監督は、2017年の普通選挙の欠如に対する抗議活動家たちの不満を理解しているという。しかし、ELCHKは政府の姿勢も理解していると彼は述べた。「しかし、もし行政長官選挙がある一部の人たちによって支配されるのであれば、その場合、この社会はある意味で下向き、後ろ向きにもなってしまう」と、チャン監督は語った。中国と香港の当局、そして香港の市民、とりわけ若い人たちの間には、大きな乖離(かいり)がある。この乖離を狭めることが、香港の将来にとって非常に重要だと、監督は強調した。
香港学生連盟と中環占拠運動が率いる学生の抗議活動家たちは、この数週間に民主派デモの大部分をなしてきたが、その一方でチャン監督は抗議活動家たちには中年の人たちのより大きな集団も含まれていると語った。
来る50年間にわたって香港に高度の自治を与えるという、1984年の共同声明の下で、1997年に英国は香港を中国に返還した。ところが、2004年に中国は、香港の選挙法に対するいかなる変革をも認めなければならないと述べたのである。
今年の6月と7月、民主派運動家たちが政治改革に関する非公式な一般投票を行い、両者の側とも大きな集会を開いた。
チャン監督は、昨今の抗議活動は、一部の論者が中国の他の地域にまで広がるのではないかと考えているような反政府運動にまで高まるものではないと見ている。「それはただの地域的な民主主義運動に過ぎない」と彼は言った。