聖書の言葉を書道で表現した作品を展示する「聖句書道展」(13日〜15日)が、埼玉県川口市の川口リリアで行われている。
この作品展は、大阪みとキリスト教会の聖句書道センターが主催し、川口では2000年から毎年行われ、今回で15回目の開催となる。教会の書道教室の子どもたちによる作品や、応募により集められた作品など約80点を見に、1日100人ほどが訪れるという。
イベントの担当者は、「私も母の影響で幼いころから書道に親しんでいたが、母の死の悲しみを乗り越える過程で『本当に意味のある言葉』を発信したくなった」と、自身の経験を交えてこのイベントに対する思いを語った。
書道の場合、一般の作品は漢詩や故事成句、写経などを扱ったものが多く、評価も受けやすい。そのため、展覧会でも聖書の言葉を書いた作品は少なく、評価も受けにくいという。
しかし、聖句が書かれた作品を見た人が、その言葉に触れて元気を出し、あるいは涙を流し、「あの言葉、心に入ってきた」といった声が寄せられ、励みになったと振り返る。
川口では10人のメンバーで始まったこの作品展。最初は作品もなかなか集まらなかったが、今では多いときには100近くの作品が集まるようになった。
来場者も「他の書道展とは何かが違う」と言って足を運んでくれたり、体験コーナーを設けてからはさらに多くの人が詰め掛けるようになった。
「最初はただ作品を展示するだけだったイベントが、そうした交わりができ、みんなが安心できる空間になり、神様が自分たちの賜物を通して期待してくれていると確信できるようになった」と朗らかな笑顔で明かしてくれた。この日も多くの人が嬉々とした表情で筆を走らせ、台紙に貼って装飾された自分の作品を持ち帰った。
出品者は老若男女問わずさまざま。ある作品は力強く、ある作品は優美。「内面が大切であり、筆跡には一人ひとりの個性が表れる。作品を通して、そのような一人ひとりに神様が用意してくれた個性も楽しんでほしい」と見どころを教えてくれた。
14日には、ゲストスピーカーとして元ヤクザの進藤龍也牧師(「罪人の友」主イエス・キリスト教会)が訪れ、「天国への切符を最後の時まで手放さないように、神様の言葉が必要」と、時にジョークや自身の体験談を交えつつ語り、会場を沸かせた。
今回は、東日本大震災で被災した福島の復興のためのチャリティーとして、絵はがきやカレンダーの販売も行われていた。川口以外でも聖句書道展や書道教室は行われている。詳細はホームページで。