大阪クリスチャンセンター(大阪市中央区)で毎週月曜日に行なわれている大阪朝祷会(朝の祈祷会)が、13日で3000回目を迎えた。台風19号の接近が心配されていたが、プロテスタント各派やカトリックを含め、東京や九州からも参加者があり、約100人が57年間続けられてきた祈祷会を祝った。
この日の説教では、シャロンの花イエス・キリスト教会協力牧師の平山武秀牧師が、ローマ信徒への手紙8章26節を引用。「私たちは本来どう祈るかを知りません。祈り方、何を祈るかも知らない。それでも私たちが祈ることができるのは神様の働きなのであり、祈りを通して聖書の御言葉が働いてくださるのです」と伝えた。
また、「57年前に小さな集いから始まった朝祷会は、それから雨の日も晴れの日も、大晦日も元旦も休むことなく続けられ3000回となり、全国に広がりました。積み重ねることが大事。今日を共に祝いながら、また来週の3001回目からも熱心に祈っていきたい」と語った。
祈祷会の後は、食事と交わりの時が持たれ、大阪朝祷会から広がり、同じ日に2800回目を迎えた松山や、1800回目を迎えた福岡の朝祷会の参加者からもお祝いの声が寄せられた。
朝祷会全国連合元会長の米田昭三郎氏は、「子どものときは毎週、奈良から1時間半近くをかけて、サラリーマンになってからも通い、出勤前の多くの社会人の先輩と出会い、信仰を教えられました。これからも朝祷会がますます発展してほしいです」と述べた。
大阪市・JR玉造駅近くにある大阪クリスチャンセンターは、米進駐軍のクリスチャンたちからの寄付などをもとに、1956年に建築された。きっかけは、米軍チャプレンのネルソン大尉による呼び掛けだった。
日本が精神的、物質的に困窮していた終戦後の1946年、大阪市天王寺公園の野外音楽堂で米進駐軍・軍楽隊が演奏会を予定したが、雨が降り流会に。頭に古新聞を載せて帰る会衆に、ネルソン大尉が深く同情し、「何とか大阪にキリスト教信徒たちが一同に会する場所を作りましょう」と呼び掛け、寄付を集めた。現在は教派を問わず、キリスト教に関するさまざまなイベントの場として利用されている。
大阪朝祷会は、建築の翌57年1月14日から、「大阪朝食祈祷会」として14人がセンターに集り始まった。朝食祈祷会は全国に広がり、名前も朝祷会(ちょうとうかい)と変更された。
毎週月曜の朝7時から8時まで、年末年始はもちろん、祝日も雨の日も台風や阪神大震災のときも、休むことなく続けられてきた。
「目を覚まして感謝を込め、ひたすら祈りなさい」(コロサイ4:2)、「主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ」(エフェソ4:5)などを祈祷課題にし、1960年代の第2バチカン公会議以降は、カトリック信徒も加わり、教派を問わず集るエキュメニカルな祈りの場となった。今は毎週45人程度が出席しているという。
現在は大阪府内だけでも18カ所、日本全国では約150カ所で朝祷会が行われているほか、ブラジル、カナダなど海外にも広がっている。全国各地の朝祷会については、朝祷会全国連合事務局(電話:06・6762・7701、FAX:06・6762・9885、サイト)まで。