東日本大震災3・11復興支援超教派一致祈祷会が11日、東京都新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で開催された。この祈祷会は、東日本大震災が起った3月11日を覚え、毎月11日に開催されている超教派の祈祷会。今回で40回目の開催となった。
この日は、震災直後から被災地で支援活動を行なってきた、加古川バプテスト教会(兵庫県加古川市)の信徒3人と同教会スタッフの梅谷望氏が現地レポートをした。同教会は、東北から車で約14時間かかるほど離れた地にありながらも、東北宣教のビジョンを与えられ活動を続けている。この日はまた、仙台出身の歌手・大宮香織さんが特別ゲストとして出演し、賛美を届けた。
仙台生まれで仙台育ちだという大宮さんは、震災当時も自宅にいた。「本当に今までに体験したことのない揺れを感じ、立っていることができませんでした」と当時を振り返る。
震災後は、賛美もできず、何を祈ったら分からないときもあったと言うが、「震災を経験して、今まで当たり前と思っていたことが当たり前ではないということに気付かされました」「今日一日を生きられるということが、神様からの大きな恵みなんだということを教えられました」などと証しした。
祈祷会では最初に「Amazing Grace」を歌い、震災前に作曲した「しあわせのおきて」「時」、また震災後に作った「雨ニモマケズ」「主は永遠の神」の計5曲を、それぞれの曲への思いを語りながら歌った。
その後、加古川バプテスト教会のある女性信徒が現地レポートとして証しを語った。この女性は、初めて被災地へ訪れたとき、「こんな小さなことが何の役に立つのだろう」と思ったと言う。しかし、「私たちには私たちにしかできないことがある。その場所に行って、神様に祈ることができることを教えられました」と言い、「やはり、一番の支援は、東北のために、日本のために執り成し祈ることでした」と語った。また、別の男性信徒は「私たちは、ボランティア団体とも違い、また個人がしたいことをするのでもなく、神様をリーダーとするチームでした」と証しした。
梅谷氏は、「あの日(3・11)から、神様に私たちは何をするべきでしょうかと祈り、尋ね求めて、そして神様がはっきり示されたことを一つずつすることができました。そしてまた、今も祈り続け、神様が何か示された時にすぐに動けるように準備し整えています」と語った。
一方、東北での活動で一番辛いのは帰るときだと言う。「今から安全な自分の家に帰る。だが、背中の後ろには被災して悲しんでおられる方々がいる。そうした方々を残して帰る。その時が一番辛い」と、梅谷氏は明かした。
そうした梅谷氏に神が示したのは、「準備しなさい」ということだった。加古川バプテスト教会は、19年前の阪神大震災も経験し、被災した地元地域への支援も行なった。しかし、「振り返ってみて十分であったか。もっとできることがあったと、そのとき思った」と梅谷氏。「私たちはもちろん、被災地を忘れない。覚え続けて祈ります。必要なことを神様は私たちに語って下さる。喜んで行って、何でもしたいと願います。それと同時に、私たちがするべきことは、いま私たちがおかれている地で準備をすること」と語った。
この日は約50人が参加し、被災者一人ひとりのためや、支援活動をするボランティアや行政のために、また被災者の心の癒しのために祈りをささげた。次回は8月11日に開催される。