日本聖書協会は、10月下旬に『聖書 スタディ版 改訂版』(新共同訳)を発売する。大きさは『新共同訳 新約聖書 スタディ版』と同じA5版で、2006年に発行された後に版元品切れとなったB5版の『聖書 スタディ版』よりも小さくて軽くなり、持ち運びに便利。
B5版の『聖書 スタディ版』について同協会は、「聖書本文に平行して、語句や歴史の解説、地図、年表、絵などを豊富に掲載しています。新約聖書スタディ版に比べ、サイズも大きく、読みやすくなっています」などと説明していた。
同協会頒布部によると、改訂版は聖書66巻各書についての概説を全面改訂したことが最も大きな変更点。注解の部分も一部直した他、本文は聖書特有の読み方をする漢字に振り仮名が付けられている。B5版と同じく、続編は含まれていない。
また、聖書が書かれた時代の生活習慣や社会、地理、歴史、神学上の基本的意味を、分かりやすい言葉で本文近くの欄外に掲載。他の新共同訳聖書と各節の開始ページをほぼ同じにそろえており、対照しやすいという。
そして、116項目のキーワード解説により、理解が深まるよう工夫。巻末には、用語解説、人名索引、聖書歴史年表、地図などが付録として付いている。
頒布部によると、この改訂版が発行された背景には、「B5版のものは持ち運ぶのが難しかったが、小さくすると文字が小さくなってしまう。それでも、文字が小さくなってもいいから持ち運びやすいものをという要望があった」という。
B5版によると、その元になった英語版のラーニングバイブル(The Learning Bible – Contemporary English Version:CEV)は、米国聖書協会が2000年に出版したもの。現在は出版されていないが、難解な神学用語を避け、個人あるいは教会における朗読に、声に出して美しく、覚えやすい英語の翻訳とその解説からなる。
CEVラーニングバイブルは、原語の意味を明確に訳出することが難しい聖書個所では、二義的な翻訳の可能性や主要な写本での読みの違いも注で示している。注や解説は全て、諸教会の多様な伝統と神学を踏まえ、聖書協会世界連盟の入念な検討を経たものであるという。
B5版はこのような特徴を生かしつつ、新共同訳聖書に基づき、より豊かな理解のために説明を加え、新約聖書スタディ版に旧約聖書の注、概説、キーワードを翻訳し、編集したものとなっていた。
日本聖書協会が直営するバイブルハウス南青山(東京都港区)では現在、『聖書 スタディ版 改訂版』を予約販売中で、本体8400円(税抜)を発売記念特価として、2015年4月末まで7400円(税抜)で販売するという。詳しくは同店のウェブサイトで。