米ワシントン州シアトル市を拠点にするメガチャーチ、マーズヒル教会は7日、厳しい財政状況を理由に、複数あるキャンパス(礼拝所)を少なくとも3つ閉鎖し、それらの内のいくつかは、近くのキャンパス同士で統合する必要があることを発表した。
「私たちは現実的な問題を含め、どのように運営をしていくか模索してきましたが、非常に残念な決断をするに至りました。私たちはいくつかのキャンパスを統合するか、閉鎖するか、または別の物に変えていかざるを得なくなりました」。マーズヒル教会のデイブ・ブルスカス牧師は同日、同教会のウェブサイトでこう述べた。
ダウンタウン・シアトル、ユニバーシティ・オブ・ワシントンの2つのキャンパスは、バラードのキャンパスに来月12日から統合される予定だ、とブルスカス氏は伝えた。同氏はまた、アリゾナ州フェニックス市にあるキャンパスは、マーズヒル教会としての最後の礼拝を今月28日に行うと付け加えた。
カリフォルニア州にあるハンティントンビーチのキャンパスもまた、「もし年内に献金額を増加させることができなければ教会を閉じるという危険にさらされている」と、ブルスカス氏は言う。また、「私たちはまた、ロサンゼルス市での教会開拓をこれ以上続けることを中止しました」と続けた。
教会関係者らによると、マーズヒル教会で教会員数と献金額の減少がみられるようになったのは、使徒29章チャーチプランティング・ネットワークが、同教会の主任牧師であったマーク・ドリスコル氏を同ネットワークと教会から退任させた後からだ。ドリスコル氏を退任させた理由は、同氏の「分裂を引き起こす」行動に対する苦情のためだった。
「もし、あなたがこれらの(閉鎖される)教会のうちの一つに出席していた場合、大変申し訳なく思います。そして、バラードで行なわれる礼拝の一つに、あなたとあなたのご家族が出席できるように願っています。またはフェニックス市におられる方であれば、将来の色々な機会に際し、一緒に教会をサポートしていきましょう」
しかし、教会には新しい教会を植える使命があると、ブルスカス牧師は続けて語る。「私たちは、まるですでに機会が与えられ、すでに十分な資金が備わっているかのように、(新しい教会を立てる)機会を探っていく。スポーケンに教会を作るこれまでの計画は継続していく。この教会は、しっかりとした中核となるグループが存在し、継続して使用可能な場所もあり、必要な改善のための責任ある財政計画もある」
先月、マーズヒル教会の牧師9人は、彼らの教会の長老らに、現在6カ月間の休職中にあるドリスコル主任牧師によって長い間作り上げられてきた「暴力的で威圧的な」教会内の文化に対する懸念と、批判すべき点を書き綴った文書を送った。9人の牧師たちは、ドリスコル氏がいつかまた回復し、神の栄光を表すリーダーシップを持つ者として復活することができるために、一旦現在の立場から身を引くべきと提案した。
使徒29章チャーチプランティング・ネットワークは、ドリスコル氏により10年以上前に創設された。先月8日、同ネットワークはドリスコル氏を牧師職から退任させ、また教会から除籍すると報告した。これは、彼の対立的な振る舞いを考慮したネットワークの他の牧師たちからの訴えによった。ドリスコル氏はまた、奉仕自体からも退くようにと求められていた。
ドリスコル氏はこうした事態を受け謝罪し、身を引いた後も謝罪をしている。
しかし、同ネットワークは、ドリスコル牧師へ対する非難の本質について「非難のほとんどは、ドリスコル氏本人が認めたもの」で、彼をこれ以上教会に置いておくことは「支持できず、どうにもならない」ことを確信していたと伝えている。
ドリスコル氏は先月、半年間休職することを発表した際、再び教会に対して謝罪した。「本当に申し訳ありませんでした。皆さんに対して怒っていたこと、気が短かったこと、鈍感であったことをお詫びします。また批判を招いたことで、論争やメディアから負の注目を集めたことで私たちの使命の妨げとなってしまったこと、全てにおいて反省しています」と述べた。