ナグメー・アベディニ氏は、キリスト教信仰のゆえにイランの最も危険な刑務所で8年間の服役に処されているサイード・アベディニ牧師の妻。彼女は夫が2012年に投獄されるまでは、自分自身がいかに利己的であったかということに気がづかなかった言う。
ナグメー氏はイスラム教徒の家に生まれたが、彼女が9歳の時、家族と共にイランから米カリフォルニア州に逃れた後、イエスと出会った。しかし夫の逮捕に至るまでの25年間、ナグメー氏はイエスと出会ったころの彼女とはかけ離れ、偽りと壊れた信仰生活を送っていたと告白する。
「私はやっと、見せかけの自己中心的な肉の思いと、どのように日常的に戦うかという方法を学びました。それらは小言、不機嫌、絶望的な考えや恐怖についてです」と、ナグメー氏は「TrueWoman.com」で明かした。「サイードが世界最悪の刑務所の一つに投げ込まれる前に、私は恐怖と不安に苦しんでいました。そして何よりも、私は飛行機に乗ることと、人前で話すことを恐れていました」
2012年以来、7歳に満たない子ども2人を持つナグメー氏は、教会、ニュースメディア、米議会、さらには国連で話し、夫へのサポートを呼び掛け続けている。彼女の講演は、夫の事件についての国際的な報道、米国内外の法律制定者の関与、およびキリスト教コミュニティー内での広範囲にわたる祈りのムーブメントにつながっている。
「神の恵みにより、私はこの過去2年間で自分の恐れを克服してきました。私は今まで想像もしなかったような場所へ行き、そこで想像もしなかったようなことをしています。神様は福音のために私にとてつもなく大きな機会を与えてくださいました」とナグメー氏は言う。
彼女はまたこう付け加える。「私の新しい力の秘密は、自分の肉的な思いを毎朝認識し、自分を信じさせようと誘惑するうそと戦い、そして神の御言葉に従うことを選び行動することにあります。これはあなたの過去や境遇、金銭面、あなたが誰を知っているかということに関係ありません。これは実に、どれくらい自分自身に死ぬことを進んで行い、人生を完全に聖霊様に委ねるかということです」
ナグメー氏は、サイード氏が投獄された当時を振り返り、彼の逮捕は彼女を人生のどん底に至らしめ、その際彼女は自分自身が弱く、孤独であるということに気づかされたと明かす。
ある時、ナグメー氏の母親が目の前でひざまずいて絶望的に泣き、どのようにしたら娘の力になることができるかと聞いてきた。しかしナグメー氏は、「神だけが私の魂の奥深くに触れ、私を癒すことができるの」と語ったという。
「全ての理解を超えた神の平安が私の全存在を包み込み、私は全ての恐怖から自由になりました。私はもはや、愛する人の死を恐れません。私はもはやお金や健康の損失を恐れません。私はもはや未来を恐れません。私はイエス様により本当に自由になったのです」
サイード氏は逮捕される前、イランで家の教会の設立に関わっており、2009年に当局から家の教会への全ての関与を中止するように告げられていた。そして2013年1月、裁判所は家の教会での疑わしい活動が同国の安全保障を侵害するとし、有罪判決を下した。
今年8月初め、ナグメー氏とその子どもたちの代理人を務める米キリスト教弁護団体「法と正義のためのアメリカンセンター(ACLJ)」は、同じ刑務所に投獄されている「イスラム国(IS)」の過激な受刑者がサイード氏を殺すと脅し、彼の命が危機的状況にあると伝えた。
イスラム国のジハード主義者は、刑務所内の別のセクションにいるが、ACLJが伝えたところによれば、彼らは何度も、屋外での1時間の運動時間から自分の監房に戻る途中でサイード氏がいるセクションに入ろうとしたという。また、イスラム国の過激派に加え、そこに投獄されているアルカイダ系のテロリストもサイード氏の人生を終わらせると脅しているという。