エボラ出血熱に感染した女性米国人宣教師を運ぶ飛行機はリベリアを離れ5日、米国に到着した。
リベリアの宣教師、ナンシー・ライトボルさんは現地でエボラ熱に感染し、特別に装備された米疾病管理予防センター(CDC)の飛行機により、米国に帰国。彼女はエボラ熱にかかった米国人宣教師としては2人目となる。すでに彼女の同僚であるケント・ブラントリー医師は2日、米国に戻り、治療を受けるためジョージア州に運ばれている。
ライトボルさんの教会のジョン・マンロー牧師によれば、彼女は「控えめ」で「非常に謙虚」な人だという。彼女と夫のデイビッドさんは15年間宣教師として働いていたが、リベリアに滞在していたのは昨年8月から。夫妻はキリスト教系NPO団体「サービング・イン・ミッション」と協力して現地で活動。この団体は同じくキリスト教系団体である「サマリタンズ・パース」とも活動を共にしていた。彼女は宣教師たちを助け、病院で看護師たちと一緒に働き、デイビッドさんは技術サービスの監督として働いていた。
「私たちはキリストが私たちのためにしてくれたこと—それは永遠の命をくださったことと救いのゆえに、祝福を受けています。私たちは他に何ができるでしょう?」 米CNNは、夫のデイビッドさんが、籍を置くノースカロライナ州シャーロットのカルバリー教会のメンバーとのスカイプセッション中にこう語ったと伝えた。
「ライトボル夫妻は大宣教命令を文字通り受け取ります」。マンロー牧師は米CBSニュースにそう語る。「私たちは彼らに、米国に戻りなさいとは言っていなかった」と、マンロー牧師はエボラ熱の流行が始まった頃のことを思い出した。「私たちは、彼らが戻ってくるための支援は喜んで行おうとしていました。夫妻は『まだやるべき仕事が終わっていない、それは続けなければなりません』と言っていました」
米国にエボラ感染者を受け入れることについて多くの批判があったにもかかわらず、政府はその受け入れを決定。マンロー牧師はまた、ライトボル夫妻が「危険に追い込むだろう最後の人であろう。彼らは最高の医師の助言、治療を受けられますし、もしこのウイルスがナンシーさんを通じて広がる可能性が少しでもあるのなら、彼女を家に帰らせず、隔離するという手段を取ることになるでしょうから」と指摘する。
彼女の息子ジェレミーさんは、しばらく会っていなかった両親と再会することを熱望している。彼は自分の母親の容態と生存の可能性について、「慎重ながら前向き」であると説明した。
「私たちは母の状態がこれからどうなるのかということについて、心の中では慎重になろうとしています」とジェレミーさんは米CBSに語った。「母が、ブラントリー博士がそうだったように、飛行機から自力で歩いて出ることができるのか分かりませんが、私たちは母にまた会えるようになることを切望しています」と言う。また、「母のおかげで、特効薬や治療法が解明され、苦しんでいる人たちが救われる助けとなることを望んでいます」と付け加えた。
報道によると、エボラ熱に感染した米国人宣教師の2人は、「ZMapp」と呼ばれる未承認薬を現地で投与され、特別機で米国に帰国した。2人は回復傾向にあると伝えられているが、未承認薬による効果かどうかは明確には分からない。現在2人は、ジョージア州の大学病院にある隔離病棟で治療を受けている。