【CJC=東京】イランのイスラム教政権と保安部隊は、聖書配布を禁止、所持しているだけで犯罪と見なされるが、首都テヘランでは聖書だけでなく違法とされる書籍も露天商や古書店で買うことができる。
イランのキリスト教通信『モハバト・ニュース』によると、テヘランの昔から有名な「ナセル・コシュロ」街がその一つ。そこでは高価ではあるが、入手が難しい違法薬品まで入手可能という。「エンケラブ(革命)」通りでも違法書が買える。
『モハバト・ニュース』は、宗教を研究している大学生が『悪魔の詩』も買えると語ったと報じている。著者のサルマン・ラシュディはイランの最高指導者アヤトラ・ホメイニ師から「背教者」と呼ばれ、著書の印刷配布は今も禁止されたままだ。
イランでイスラム革命を実現させたホメイニ師は、ラシュディにたいする「ファトワ」(宗教指令)を1989年2月14日発し、イスラム教徒は全て、ラシュディを発見次第殺せ、と指令している。
面白いことに、その大学生は、書店に関する情報を教授の1人から得た、と言う。
違法書をテヘランで見つけるのが容易なことについて、収書家の1人は、「エンケラブ街の古書店なら、イスラム革命前に発行された本を見つけるのはたやすい」と言う。
ただ『モハバト・ニュース』は、文科省やイスラム教指導者が、違法書の販売について対処すると発表した、と報じている。
さらに、警察も違法書を販売する書店摘発に乗り出す、と言う。