【CJC=東京】教皇フランシスコは17日、ソウルから約100キロ離れた忠清南道瑞山市の海美(ヘミ)聖地を訪れた。同地は18世紀から19世紀にはカトリック信者ら数千人の殉教の地になった。
海美でアジア各国の司教らと会談した教皇は、この地で信仰のために命を捧げた聖なる殉教者たち、名も知られぬ多くの人々、子どもたちや、大人、お年寄りたちを想起した。
アジアの教会の宣教の本質的な要素は「対話」であると述べた教皇は、真の対話に取り組むには自らのキリスト者としてのアイデンティティーの深い自覚と、開かれた態度、相手に対する受け入れ、そして洞察力が必要と指摘、今日のキリスト者のアイデンティティーを脅かすものとして、真理の追求を妨げる相対主義、真に重要なことから目を反らせるはかない表層的な文化、積極的に外に向かわず安易な答えや決まりごとに逃げ込む態度を挙げた。
教皇は「アジア大陸でバチカン(ローマ教皇庁)と完全な関係を持っていない国々は対話をためらわないでほしい。政治対話だけでなく、兄弟としての対話もある」とも述べた。特に中国や北朝鮮のバチカンへの警戒感を意識してか、「キリスト者は征服者としてやって来るのではない」と強調した。
教皇は昨年3月の就任以来、中国との関係改善を模索してきたが、具体的に対話を提案したのは初めて。