韓国基督教総連合会(韓基総=CCK)のホン・ジェチョル代表会長が12日に辞任を表明したことを受け、次期代表会長選出のための候補者登録が行なわれたが、16日正午の締め切りまでに登録したのは、汝矣島(ヨイド)純福音教会のイ・ヨンフン主任牧師のみだった。これにより、特別な異議などが出ない限り、イ・ヨンフン氏が次期代表会長に選出される見込だ。選出されれば、ホン・ジェチョル氏の残りの任期約1年5カ月にわたってCCKを導くことになる。
一方、韓国のキリスト教界では、イ・ヨンフン氏による新体制が誕生した場合、CCKおよび他団体との連合事業にどのような影響を与えるかが焦点となっている。特に、CCKから脱退した教団を中心に組織される韓国教会連合(韓教連=CCIK)との統合にどのような影響を与えるかが感心を集めている。
イ・ヨンフン氏は温厚な人柄の持ち主として知られており、韓教連との関係改善には期待が大きいという。特に韓教連側はこれまで、CCKとの統合に向けた話し合いに積極的ではなかった理由として、ホン・ジェチョル氏へ対する不信感があることを明らかにしていた。ホン・ジェチョル氏退任後に劇的な統合の可能性もあるのではないかという期待がある。
ヨイド純福音教会はこれまで、昨年5月の総会では、CCKと韓教連の統合がなされることを前提に、CCK脱退を保留し韓教連に加盟することを決定。今年5月の総会では、CCKと韓教連が10月までに統合しなければCCKを脱退するなど、比較的CCK・韓教連の両者をくんだ立場を取ってきた。しかし、CCK・韓教連間の溝は依然として深く、統合は容易ではないとする見方も多い。
一方、イ・ヨンフン氏は、韓国基督教教会協議会(NCCK)での会長経験もあり、保守派からの視線は厳しいことも考えられる。特に、昨年の世界教会協議会(WCC)釜山総会を巡っては、韓国内の保守・進歩間の対立が先鋭化し、CCKは定款に「WCCを支持したり、支持する個人や団体は会員になることができない」と記載までした。イ・ヨンフン氏は、WCC釜山総会の準備委員会常任副委員長を務めていた。そのため、候補者資格審査の段階でこうした経歴が指摘される可能性もある。一方、歴代CCK代表会長の中で、NCCK会長も経験しているのはチェ・ソンギュ牧師(仁川純福音教会)のみだ。
イ・ヨンフン氏はこの他、韓国世界宣教協議会(KWMA)会長や韓中キリスト教交流協会常任代表なども務め、宣教に対する強い情熱を持っていることで知られている。そのため、内部の混乱によってもたらされたCCKの悪いイメージを払拭し、宣教とリバイバルのために注力することができるのではないかとする期待もある。
現在61歳というイ・ヨンフン氏の年齢については、期待と懸念の両方がある。CCKの代表会長は通常、教団の代表を務めた60代半ばから後半の牧師が務めることが多く、イ・ヨンフン氏が今回代表会長に選出されれば、歴代最年少となる。これは、CCKを刷新し、若い世代の参加を促すことになる可能性がある一方、他団体との連合事業においては、指導性を発揮するために障害となる可能性もある。
また、ヨイド純福音教会というメガチャーチの主任牧師であるという点も利点と欠点の両面がある。豊富な人的・物質的資源をもとに、様々な事業を展開できるが、逆に自身の教会の奉仕で忙しく、CCK代表会長としてどの程度まで時間を割けるのか不安視する声もある。
一方、次期代表会長選に伴い18日に予定されていた記者会見は28日に延期され、20日に予定されていた公聴会は、単独候補による選出になっため選挙管理規定に基づきキャンセルされた。