韓国教会の指導者ら13人が2日午前、ソウル市内のホテルに集まり、韓国基督教総連合会(韓基総=CCK、ホン・ジェチョル代表会長、67加盟教団)と、CCKから脱退した教団らが中心となり2012年に設立した韓国教会連合(韓教連=CCIK、ハン・ヨンフン代表会長、35加盟教団)の統合に向けて意見を交わし、「韓国教会の大統合のための提案」を発表した。
発表した提案では、CCKは「韓国の諸教会が協力して設立した韓国教会の代表的連合機関」だとその重要性を強調。「CCKと韓教連は、総論では無条件に統合し一つになり、議論がある部分については、各論として常任委員会を通じて合理的に処理していく必要がある」と、統合への強い必要性を訴えた。
CCKのホン・ジェチョル代表会長は今年の2月、韓教連がCCKに復帰することを条件に、代表会長の職を辞任し、新たにCCKと韓教連の統合代表会長を選出することを明らかにしていた。今回の提案でもその内容が盛り込まれ、ホン・ジェチョル代表会長は参加した教界指導者らの前で、このことを再び宣言。統合代表会長は、元老牧師らが協議した上で、韓国教会の発展のために資する適任者を公正に選出するとした。
また、CCKはこれまで、韓教連に対していくつかの訴訟を起こしていたが、「韓国教会の大統合のために、これまで韓教連を相手に告訴・告発したすべてを取り消す」とした。
さらに、今後CCK・韓教連の統合に関するあらゆる事項については、ホン・ジェチョル代表会長は、代表会長としての権限を放棄し、汝矣島(ヨイド)純福音教会の元老牧師であるチョー・ヨンギ牧師にその権限を委任すると決定した。
この日発表された提案には、チョー・ヨンギ牧師をはじめ12人の教会指導者らが署名した。
元CCK代表会長(第7代)のイ・マンシン牧師は会合で、「CCKと韓教連がまずは一つになり、その後、残った小さな問題を解決していくことに全面的に同意する」と語った。同じく元CCK代表会長(第6代)のジ・ドク牧師も、「福音的な教団であれば、絶対に一つにならなければならない。(一つにならない)理由をつけることはあり得ない)」と、統合を強く求めた。また、第14・15代のCCK代表会長を務めたオム・シンヒョン牧師は、「無条件に双方を統合し、その後一つひとつ(の議論)を解いていくべきだ」と、統合に向けた意見に同意した。
汝矣島純福音教会のイ・ヨンフン主任牧師は「韓国教会がなんとかして一つになり、霊的指導力を回復しなければならない」とし、「現職の(同教会)総会長として、双方の統合のためにあらゆる努力を惜しまない考えだ。今回の教団総会でも、このことを積極的に支持する考えだ」と明らかにした。
チョー・ヨンギ牧師は、CCKのホン・ジェチョル代表会長、また、韓教連のハン・ヨンフン代表会長とも交流があり、今回仲介役として選ばれた。出席者の中からは、「チョー・ヨンギ牧師が積極的に乗り出し、両者の代表に会うべきだと思う。力を持っている人が乗り出すときこそ、事が動く」「チョー・ヨンギ牧師が大統合において大切な役割を担ってほしい」「チョー・ヨンギ牧師が早急に両者の代表らを呼び集め、対話できる場が備わるべきだ」などと、意見が出た。
これに対し、チョー・ヨンギ牧師は「両機関が代表団を構成すれば、ともに集まれる日程を調節する」とし、肯定的な見解を示した。チョー・ヨンギ牧師は冒頭の挨拶で、「セウォル号沈没事故で韓国全体が落胆している。このような状況の中で、暗い影を立ち退けるべき教会が連合せず分裂していれば、この厳しい状況を霊的に解決することはできない」と強調。「CCKはハン・ギョンジク牧師を中心に、教団が連合して建てられた歴史的にも意義深い団体だ。涙で祈り、どんな犠牲も覚悟した殉教者の血の力によって建てられた韓国教会を再び生かしていかなければならない」と語った。
一方、ホン・ジェチョル代表会長は、「いかなる犠牲を払っても、韓国教会が一つになるために一粒の麦になりたい」と、統合に向けた強い意志を示した。
今後は、チョー・ヨンギ牧師がCCK・韓教連双方の代表団に会い、その結果を聞く場を再び設ける予定だという。