1. 進化論教育
明治政府は、明治6年に諸外国の圧力でキリシタン禁令の高札が撤去されると、日本がキリスト教化されることを恐れて、アメリカからモースという生物学者を招きました。そして彼に、聖書の教えに反対するための教育を頼みました。進化論の教育です。
進化論は、創造主の存在を前提とする創造(聖書の教え)を否定するために、創造主のいない世界観を土台としてつくられた理論です。それを教えることでキリスト教化を防ごうとして、日本政府は彼を東大の教授にしました。彼は、「この教えは、聖書の教えに反対するためのものだ・・・」と前置きしてから教えたそうで、日本人はこの教えを大歓迎したと徳田御念氏の進化論という本に記されています。
以来、日本政府は、日本のキリスト教化を防ぐ目的もあってか、進化論だけを唯一の生命の起源として教えてきました。もうとっくに進化論者によって否定されたことがまだ教科書に載って今でも教えられています(ヘッケルの反復論など)。
2. 進化論と創造論の比較
諸外国には、生命の起源に関して進化論だけでなく、創造による生命の起源が教えられているところがあります。調べて比べてみましょう。
2つの理論の大前提
2つの理論には、大前提があります。それぞれの理論を構築するための大前提になる考えがあります。
① 進化論の大前提
「創造主のような知的存在は一切ない、存在するものはすべて自然法則による。科学はすべてを自然法則で説明すべきで知的存在、創造主を取り扱ってはならない。知的存在を扱うものは宗教であって、科学ではない」
② 創造論の大前提
「すべてものを造り出した知的存在、創造主がおられる。すべて存在するものは知的存在・創造主によって作られ支えられている。自然法則も創造主によってつくられた」
進化論と創造論、この二つの理論には、その理論を組み立てるための大前提があることに気づくべきです。その上で両論を比較してみるとよく分かると思います。
3. パハロ会議の重要性
1993年に、進化論の学会に大きな異変が起こりました。10年たってやっと日本にその情報が入ってきています。
アメリカ・カリフォルニア州パハロ海岸で1つの会議が持たれました。提唱者はフィリップ・ジョンソン博士。博士は進化論に対して疑問を持ったので、同じように進化論に対して疑問や不満を持っている科学者、哲学者に呼び掛けて会議を持ちました。その中には「科学進化論」の教科書を書いた博士も含まれていました。
会議が進むうちに、生命の起源を自然法則だけで説明することは不可能だという方向の話が、一つの大きな流れとなったと言われています。
① DNAはDNAからしかできない。
② ミクロの世界の研究が進んでその詳細が明らかになると、鞭毛虫の鞭毛を動かす根本に、分子モーターとまったく同じ働きをする組織が見事に作動していることが分かった。知的デザイナーなしには不可能である。
新しい流れに
この「知的デザイン説」は1人の意見ではなく、大きな流れとなりました。ダーウィンの『種の起源』出版以来150年近く進化論を支配してきた「自然法則だけで生命の起源を説明すること」は不可能になりました。
進化論学者たち自らが、「『知的デザイン説』が新しい流れとなって自然科学の流れを変えるでしょう」と、今まで進化論を成立させるために主張してきた大前提が崩れ始めたことを公に報じています。
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堀越暢治(ほりこし・のぶじ)
宇都宮大学農業土木科卒業。日本基督神学校卒業。学校法人東京キリスト教学園名誉理事。学校法人グレイス学園めぐみの園理事長。単立・創愛キリスト教会主任牧師。著書に『人体の不思議発見』『大自然の不思議発見』など多数。
■ 外部リンク:「ノアの箱船記念館 設立準備会」ホームページ