優れた教会リーダーを自分の教会に留めて置きたいと願う主任牧師は、彼らの才能を脅威と見るのではなく、彼ら自身のビジョンを実行させてやるべきだと、米オクラホマ州に拠点を置くライフチャーチTV(LifeChurch.tv)の主任牧師クレイグ・グローシェル氏は語る。
グローシェル氏は最近、若いクリスチャンリーダーを育てることを目的としたグループ「カタリスト(Catalyst)」の代表ブラッド・ロムニック氏からインタビューを受けた。インタビューでは、今やマルチサイトのメガチャーチに成長したライフチャーチTVを1996年に創設し、その3年後に結成した4人のリーダーによるチームでいかに今まで変わらずに活動を行ってきたかを語った。
「彼らは私よりも優れていますし、そうあるべきなんです。私よりも優れた点があって当然です。そうでなければ、私は適切な人材を選んだことになりません。彼らを信頼できなければ、私は適切な人材を選んだことになりません。そして、彼らに自分たちのすべきことをする自由がなかったら、何かがおかしいのです」とグローシェル氏は語る。
グローシェル氏は、8月にテキサス州で開催される「カタリスト・ワン・デー」というイベントで講演を行う。次世代の教会リーダー育成を目的としたこのイベントで、リーダー育成に関する自身の経験をより詳細に語る予定だ。
インタビューでグローシェル氏は、核となる効果的な要素を複数発見したと語り、基本的な要素として、ビジョン・キャスティング、意思決定、チーム構築、仕事と生活のバランスなどを挙げた。
教会リーダーたちには自分たち自身のビジョンを実現する自由を与えているが、自分がそうするのは彼らに残って欲しいからというよりも、彼らのことを本当に信頼しているからだと、グローシェル氏は語る。また、リーダーたちを鼓舞するのは「賢い」ことであるが、教会がそのようなクリエイティブな人材を抱えきれないことは「悲しい」ことだとも指摘する。
「リーダーたちを活躍させてやれなければ、彼らは他に行ってしまいます」とグローシェル氏。「優れたリーダー的人材を惹きつけ、残ってもらうには、私の指示を実行する能力だけでなく、彼らの指示を実行する権限を与える必要があります」
彼の教会のリーダーチームの一人であるボビー・グルーエンワルド氏は、ライフチャーチTVのイノベーション・リーダーとしてクリエイティブメディア・情報通信チームを率いる。グローシェル氏によれば、グルーエンワルド氏は大学卒業前に既に2つのテクノロジー会社を創設、売却した程の人材で、彼がライフチャーチTVに留まった理由の一つは、グローシェル氏が彼自身のアイディアを実行する自由を与えたからだという。
「聖書アプリ『YouVersion』やライフチャーチ・オンラインは彼のアイディアでした。ですから、彼が何かアイディアを得たら、それを実行してよいという信頼を得たわけです」とグローシェル氏は言う。「彼は自分自身で組織全体を構築してくれましたし、そうする自由もあります。私が彼の業績を自分のものにする必要はないんです。私は彼の邪魔はしません。彼は神がその心にお命じになることは何でもしてよいのです」
グルーエンワルド氏の他に、グローシェル氏のリーダーチームには、ケビン・ペリー氏、ジェリー・ハーリー氏、サム・ロバーツ氏がいる。彼ら皆で協力して、ライフチャーチTVのビジョンと方向性を形作っている。
「信頼する彼らがいなかったら――私たちは共に成長してきましたし――彼らの内一人でもいなかったら、私たちが今日手にしている特別な仕事はなかったでしょう。彼らは皆とてもユニークなものをもたらしてくれます。私たちがどうやってチームを一つにまとめて、困難を乗り越えてきたかは、今振り返ってみても分かりませんが、とにかくそうできたことに大変感謝しています」
イベント「カタリスト・ワン・デー」は、テキサス州オースティン市で8月21日に開催される。リーダーシップに関する実践的なノウハウと内容に焦点を当てる集まりとなるが、グローシェル氏の他、ジョージア州のノース・ポイント・コミュニティ・チャーチのアンディー・スタンリー牧師も参加する予定だ。