・・・これを聞いた人々はみな、心を一つにして、神に向かい、声を上げて言った。「・・・主よ。いま彼らの脅かしをご覧になり、あなたのしもべたちにみことばを大胆に語らせてください。御手を伸ばしていやしを行なわせ、あなたの聖なるしもべイエスの御名によって、しるしと不思議なわざを行なわせてください。」彼らがこう祈ると、その集まっていた場所が震い動き、一同は聖霊に満たされ、神のことばを大胆に語りだした。信じた者の群れは、心と思いを一つにして、だれひとりその持ち物を自分のものと言わず、すべてを共有にしていた。・・・(使徒の働き4章23節~35節)
使徒の働きには、聖霊が注がれてまだ間もない初代教会に、毎日どんなことが起こったかが記述されていて、深い真理が映し出されています。日ごとに教会は成長していましたが毎日のように困難、試練、迫害、いのちの危険がありました。今日の箇所もペテロとヨハネが捕らえられ、活動を禁止され脅されて釈放された所です。成長と同時に迫害もあった時代に、神は聖い御霊を注いで教会を祝福して下さったのです。ここから主を信じるひとりとして、教会とはどういうものであるか、4つの点を確認しましょう。
1.心をひとつにした集まり
使徒の働きの最初の章から、皆が心と思いをひとつにしてと何度も出てきます。教会としてのすばらしさは、どれだけたくさんの人がいても心と思いをひとつにすることができることです。
現代では、社会や会社、家庭や親子夫婦でもばらばらで、幸せの度合いがどんどん低下しています。私たちは、キリストの体としてひとつになることができる神の大家族が与えられていることを喜びたいのです。そして、心をひとつにして共に神の前に出られる恵みに感謝しましょう。
2.主キリストの恵みの証しと感謝がある
2章、3章では、証しの言葉と大胆にイエスの御業を語るメッセージが溢れていることがわかります。信仰の土台、軸はイエスです。日本人の宗教は信心が中心で、自分自身の精神性を高め、自分が良い人になることが中心です。それは良いことですが、キリスト教は、イエスが私たちの罪を十字架の死によって清め復活によって永遠の命を与え、イエスだけが私たちの救い主だという信仰に基づくものです。初代教会は、常にイエスを証ししたから成長しました。私たちもイエスのすばらしさを伝えていきましょう。
3.聖霊の御業を体験することができる
イエスの体である本物の教会では、弟子たちがイエスの御名によって祈ると奇跡さえ起こり、聖霊の力による大きな御業が起こっていました。信仰は実体験でき、具体的な経験を与えるものです。奇跡や不思議を見た人々は「曲がった時代から救われよ」という弟子たちの言葉を受け入れ人生が変えられたのです。実生活の中で神の聖霊の御業を体験することができる大胆な行動や力強いしるしや不思議があるのが、教会のあるべき姿です。
4.皆で分かち合う態度、生き方を持つ
現代は、自分さえよければという身勝手な生き方が溢れている時代ですが、初代教会は、自己保身ではなく、分け与え捧げる信仰がありました。クリスチャンは、損得勘定を超えて良きものを人に与えることができます。それを超えて神がとてつもなく祝福して下さるからです。2000年を超えて教会は広がりましたが、一番根源的なあるべき大切なものを掴みましょう。個人を大切にという美名の元、自己中心の生き方が広がる中で、教会の中で恵みの渦をどんどん広げ兄弟姉妹と共に幸せになりましょう。
◇
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。