東京都渋谷区の荻原ユワさん(当時93)が今年1月、自宅で首を絞められ殺された事件で、容疑者の新聞配達員が、宿泊先がなくなった直後に犯行に及んでいたことが明らかになった。容疑者の男は「家に泊めてもらいに行ったが、断られた」と供述しているという。NHKなどが伝えた。
警視庁は4日、萩原さんを殺害した容疑で住所不定、元朝日新聞販売店員の山崎光明容疑者(49)を逮捕した。萩原さんは10年以上同店に住み込みで働いており、配達先の萩原さんとは知り合いだったという。
報道によると、昨年11月に同店で火災が発生。山崎容疑者はやけどを負い入院し、12月に退院した。その後、退職することが決まり、就職活動をするため同店が山崎容疑者にホテルを無償提供していた。同店によるホテルの提供は1カ月間。期間が終わった今年1月2日に山崎容疑者はホテルを出、翌3日に萩原さん宅を訪れ、宿泊を依頼したが断られたため犯行に及んだとみられている。
山崎容疑者が勤務していた当時の同店経営者は、山崎容疑者について、「お客様や社内の人間ともトラブルがあるような人ではなく、クレームがあっても謝ることしかできないようなタイプで、言い争うこともなかった。新聞販売店での仕事も経験が長く、まじめで実直だった」と、NHKに話している。また、退職金や給料などまとまった金が入ることも知っていたはずだと言い、「寒い時期とはいえ、たった1日外にいただけで人を殺害することがあるのかなと驚いている」と話した。