性奴隷制、抵抗と正義を求める女性の要求が、スイスのジュネーブで世界教会協議会(WCC)によって開催された最近のイベントで焦点となり、韓国挺身隊問題対策協議会の代表者たちがその主役を務めた。
WCCの副総幹事で公の証と奉仕担当のイザベル・アパウォ・フィリ博士が議長を務めたこのイベントは、女性と男性の公正な共同体に関するWCCプログラムによって企画されたもの。そこでの討論は、韓国挺身隊問題対策協議会を通じた、性奴隷制の被害者たちに対するWCCの継続的な支援の一環をなすものであった。
6月16日にエキュメニカルセンターで開かれたこのイベントで、第二次世界大戦中の性奴隷制による韓国人の被害者である吉元玉(キル・ウォンオク)さん(87)は、発題者の一人として出席した。彼女は大日本帝国軍による性奴隷制に徴用された女性や少女を表す用語である「慰安婦」としての自らの体験について語った。キルさんは、人道に反するこれらの行為について日本政府に謝罪するよう求める要求が、どのようにして幅広くなされてきたかについて伝えた。しかしながら、そのような要求はまだ認められていない。
キルさんは、性奴隷制という自らの衝撃的な体験が起きたのは、彼女が十代だったときのことだと述べた。彼女は50年経ってやっと、これらの出来事について語る勇気を見出したと語った。吉さんは、当時から性奴隷制の被害者である他の女性たちとともに、自らが毎週水曜日にソウルにある日本大使館の前に立って、謝罪をするよう日本政府に要求している。
キルさんは、大日本帝国軍によって虐待された「慰安婦」の正義という主張を支えた若い世代によって自分が励まされていると感じている。青年が国の記憶を集めて生かし続け、日本政府の役人たちに謝罪を求め続けることが大切だと、彼女は言った。
キルさんはまた、最近行われた朝鮮半島の正義・平和と和解に関するWCCの会議でも自らの証言を伝えた。彼女の回想は、朝鮮半島だけでなくこの地域においても、そして平和を築く女性の役割のためにも、その会議による正義と平和の追求のための重要な文脈を定めるものとなったと、WCCは伝えた。
キルさんの証言はこの会議のグループに、「戦争中に最も苦しみを受けるのは女性であることがあまりにも多い中で、平和を創る積極的な参加者としての女性の役割を評価し是認することの重要性を」思い起こさせたと、同会議の共同宣言は述べている。
キルさんはまた、WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト牧師・博士に、席の空いた椅子の隣に座っている女性の像を贈呈した。この贈り物は、正義と平和のために働きつつ、付き添うこと、耳を傾けること、そして関わることの必要性を表している。
韓国挺身隊問題対策協議会の尹美香(ユン・ミヒャン)さんは、同団体の活動を参加者たちに紹介した。1990年に韓国の市民団体によって結成された同協議会は、1930年代末から第二次世界大戦の終わりまで大日本帝国軍によって虐待された性奴隷制の被害者たちを支援している。
この問題に詳しい日本キリスト教協議会(NCC)女性委員会の委員である山口明子氏は、本紙からのメールによる取材に対し、「(この)記事に出てくる吉元玉さんは、キリスト者で子息は牧師であり、彼女自身も教会で長老も務めたということですが、むしろ、そのために、名乗り出るのをためらったかもしれません。ですから、WCCが取り上げたことでは、きっとどんなに喜んでおられることかと思っています」と答えた。