12日にブラジルで始まったサッカーのFIFAワールドカップの開会式へ向けた挨拶メッセージで、世界福音同盟(WEA)は、多様な人々を集めるという、このスポーツのイベントがもつ特色に光を当てた。しかし、WEAはまたその加盟団体であるブラジル福音同盟(ACEB)とともに、この世界的なスポーツのイベントが脆弱な人たちに潜在的な搾取を引き起こすかもしれないという懸念を表明した。
「今日、世界中で何百万人もの人たちがワールドカップのためにブラジルに注目し、それは驚くべきことに国籍も文化も言葉も違う人たちを集めるという、世界最大のスポーツ・イベントになりそうである」と、ブラジル大統領の要請を受けてワールドカップの開会式のための挨拶のメッセージを送った、WEA総主事のジェフ・タニクリフ博士は述べている。
「それは平和と尊敬に基づく共存を促そうと求めるイベントであり、そして世界が一致の精神で集まる機会だ」と彼は続けた。「しかし、人身売買を通じたサイドラインでの出来事が旅行者や脆弱な子どもたちや青年に対して機会主義的になるとき、スポーツのイベントはその精神を壊してしまいかねない」
「ペンテコステ、ブラジルとサッカー」に関する声明文で、ACEBは、ブラジル人は「人なつっこい人々であり、他の国々からの訪問者たちを喜んで迎え入れる。外国人はブラジルが持つ自然の美しさや素晴らしい香りを満喫するに違いない。しかし、彼らはいかなる場合であっても子どもたちや青年たちの性的搾取に関わってはならない」と記している。
「ブラジルは性のための観光の目的地ではない。私たちは、こんなにも多くの費用が私たちにかかっているこの集まりが、性のための観光や年少者の搾取のような下心による目的のために利用されることを受け入れないし、このお祭りの時が人々の生活を妨げ、国の遺産を破壊する目的のために用いられることも受け入れない。私たちはこの集まりがよい関係と、外国人であれブラジル人であれ、皆さんへの敬意によって特徴付けられるようであってほしい」と同声明文は述べている。
続けて、「したがって私たちは、自ら全てにとってこの非常に特別な時にあって、自らの国やその国民、そしてその支配者たちのために祈る。私たちはこの期間中に自らの子どもたちや恵まれない子たちが守られ安全であるように、彼らのために祈る。そして私たちの教会の多くがこのところ行っているさまざまな活動が福音のしるしをもって多くの人々をイエス・キリストにある新たないのちを祝うべく導くように祈る」と、同声明文は結んでいる。
「私たちはブラジルの兄弟姉妹たちとともに、ワールドカップの祭典のただ中で保護と福音の機会のためにこの祈りに加わる」とタニクリフ博士。「そして特に、ブラジルの国民に促したいのは、安全な場所で子どもたちや青年たちのために地元で近所のイベントを主催してほしいということ。それもみんなが勝利する場所で」と述べている。