最新の調査結果により、アメリカ人は教会に通う頻度を誇張する傾向があることがわかった。また、カトリックとプロテスタント主流派(メインライン)は、プロテスタント福音派とアフリカ系プロテスタントに比べてその傾向が強いこともわかった。
礼拝への出席は良い行いと見なされるため、アメリカ人はインタビュアーに直接質問されると、自分が礼拝に出席する頻度を誇張する傾向がある。これはいわゆる「社会的望ましさによるバイアス」というものだ。
匿名のインターネット調査で質問に答えるときには、社会的望ましさによるバイアスは同じ効力を発揮しない。このことを基に、公共宗教研究所(PRRI)は電話による調査結果とインターネットによる調査結果を比較した。
直接インタビュアーに質問された場合、アメリカ人の36パーセントが週に1回以上礼拝に出席すると回答したのに対し、インターネットでの質問では同じように答えた人は31パーセントだった。
あまり教会に行かない人の場合、その差はさらに大きく、13パーセントだった。電話調査では、礼拝にほとんどまたは全く出席しないと答えた回答者は30パーセントだったのに対し、インターネットで同じ回答をした人は43パーセントになった。
調査では、宗派、年齢、地域によっても差があることがわかった。カトリック、プロテスタント主流派、若者、北東部と西部の住人は、プロテスタント福音派、アフリカ系プロテスタント、老人、南部の住人よりも、礼拝出席頻度を誇張する傾向がある。また、その差が大きいのは週に1回以上出席すると答えた人よりも、ほとんどまたは全く礼拝に出席しないと答えた人の方だった。人種、民族、性別による差は見られなかった。
ほとんどまたは全く教会に行かないと答えた人に関する差は、カトリックが18パーセント(電話回答15パーセント、インターネット回答33パーセント)、プロテスタント主流派が17パーセント(電話回答28パーセント、インターネット回答45パーセント)であったのに対し、アフリカ系プロテスタントは10パーセント(電話回答14パーセント、インターネット回答24パーセント)で、プロテスタント福音派は8パーセント(電話回答9パーセント、インターネット回答17パーセント)だった。
奇妙なことに、どの宗教にも所属していない人々も、教会に出席することに関して、社会的望ましさによるバイアスを示している。オンライン調査の回答では、無宗教の人の内、ほとんどまたは全く礼拝に参加しないと答えた人は91パーセント。一方、電話調査で同じ回答をした人は73パーセントで、18パーセントもの開きがあった。これはカトリックの場合と同じ数字である。
「特定の宗教に所属していないアメリカ人の間でも、少なくとも表面的には宗教的活動をしていると答えなければという社会的圧力は、今だにとても強いです」と話すのは、調査の責任者の1人でPRRI所長のダニエル・コックス氏。「自分は礼拝に全く出席しないと進んで認める人は非常に少ないです。実際多くの人はしていないのですが」
この調査は、「先週の日曜日何をしていたかはお見通し:宗教的行動、信条、所属に関する自己報告で社会的望ましさによるバイアスを測る」というタイトルで17日、アメリカ世論調査学会(AAPOR)の全米会議で発表された。
電話調査では成人2002人をランダム・サンプルで選び、オンライン調査では成人2317人をプロバビリティ・サンプルで選んだ。どちらの調査も行ったのは2013年。