難民・移住労働者問題キリスト教連絡会(難キ連、東京都新宿区)は、7月21日(月・休日)午後6時から、東京都新宿区の早稲田奉仕園スコットホール(日本基督教団早稲田教会)で、「2014年難キ連チャリティコンサート〜すべての難民、移住労働者のために 祈りと音楽のゆうべ〜」を開く。
難キ連事務局の佐藤直子さんは、「入管(入国管理センター)の中でも、仮放免になっても、就労許可がない、ビザがない、難民申請者は日本社会で即戦力になれる力を持て余しながら、無期限の失望感の中で暮らしています」と、同団体のウェブページに記している。「まだまだ、けれどぼちぼち、倒れないように、今、関わっている非正規滞在の仮放免難民申請者の正規滞在化のために働かなければ」
難キ連は、キリスト教精神に基づき、在日難民、外国人労働者の支援を通して誰もが住みやすい多民族多文化共生社会を目指している。2011年4月29日には、1989年創立以来の地道な難民、難民申請者、外国人労働者支援活動に対し、日本エキュメニカル協会(松山與志雄理事長)からエキュメニカル功労賞(2011年度 )を受賞した。
法務省入国管理局が3月20日に発表したところによると、日本における2013年度の難民認定申請者数は3260人で、このうち難民認定数はわずか6人だという。
コンサートの出演者は、ボーマン・ベアンテ氏(チェリスト)とボーマン・ルリ子氏(ピアニスト)の夫妻。
ボーマン・ベアンテ氏はスウェーデン、ファルン市生まれ。12歳の時にチェロを始め、1967年から71年までストックホルム王立音楽大学でグスタフ・グレンダール教授に師事し、卒業時に殊勲メダルを授与された。1971年から72年までは、スウェーデン国立歌劇場の首席チェロ奏者を務めた。1972年より西ドイツの国立フォルクヴァンク芸術大学、フィンランドのシベリウス・アカデミーで学び、1979年に首席でアカデミーを卒業。
その後、宣教師として来日し、2011年3月まで東京交響楽団の首席チェロ奏者を務めた。現在は玉川大学芸術学部の非常勤講師として後進を指導する一方、室内楽などの演奏活動やチャペルコンサートをはじめとする教会活動にも携わっている。神学校教師でもあり、1992年にカリフォルニア神学大学院より名誉神学博士号を受けた。また、2003年に全日本山岳写真協会賞を授与され、全日本山岳写真協会の会員となった。
一方、ボーマン・ルリ子氏は1972年、武蔵野音楽大学卒業。国立フォルクヴァンク芸術大学に学び、1975年に卒業。伝道コンサートで夫であるベアンテ氏の伴奏や通訳を担当している。
難キ連によると、「ボーマン夫妻は信仰篤く、音楽伝道に力を注いでいる」という。
夫妻は昨年の6月22日にも、特定非営利活動法人なんみんフォーラムの主催と、東京大学難民移民ドキュメンテーションセンターの共催により、東京大学駒場キャンパスでコンサートを開き、佐藤さんがその実行委員長を務めた。
本紙からの問い合せに、佐藤さんは「昨年に続き、ボーマン先生には二度目の演奏ご奉仕を頂き、私自身も仕掛け人ではありますがコンサートを楽しみにしているところです」と語る。
それは、「『神の音』と称されているボーマン氏のコンサート」だと佐藤さんは言う。「通訳もなさる、ピアニストのルリ子夫人との息の合った演奏、トーク、当日は難民の証言もはさんで、行う予定です」
「真夏の宵、ボーマン・ベアンテ氏ご夫妻のご演奏によるチェロの響き、心にしみとおる調べを聴きながら、日本の、そして世界の人々の平和についてともに考えてみませんか」と、難キ連は呼びかけている。
コンサートは午後5時45分開場で午後8時まで。会場への交通は、東京メトロ東西線「早稲田駅」(早稲田口)で徒歩5分、副都心線「西早稲田駅」徒歩8分、JR山手線「高田馬場駅」、早稲田口バス「早大正門」行2つ目の停留所「西早稲田」から徒歩2分。入場は無料だが席上献金あり。問い合わせは難キ連事務局まで。