【CJC=東京】スペイン北西部レオンのサン・イシドロ教会に展示されていた古い杯が「聖杯」だ、とレオン大学のマルガリータ・トレス講師(中世史)と美術史家ホセマヌエル・オルテガ・デルリオ氏がこのほど著書で発表した。AFP通信によると、見物客がこの教会に詰めかけ、3月27日に杯が一時的に撤去された。
杯はこれまで、レオンの王、フェルナンド1世(1037〜1065年在位)の娘、インファンタ・ドニャ・ウラカのものとされてきた。
トレス氏とデルリオ氏は2011年、エジプト・カイロのアズハル大学で、羊皮紙に書かれた文書複数枚を発見し、以降3年間にわたって研究を行った。研究の結果、めのう製で一部が欠けたこの杯の上部と羊皮紙にあった描写とが一致したことから「聖杯」と特定した。
ただ聖杯とされる杯は、欧州だけでも200個ほどある、と両氏は認めている。