最初に自らの経験を語ったのはデビッド・マンダーニさん(40)で、彼は18歳のときに統合失調症と診断を受け、1998年以来症状は寛解している。集会の休憩時間に、マンダーニさんは米クリスチャンポスト紙に対し、この画期的なイベントについての自らの喜びを語った。マンダーニさんは、神への強い信頼に頼りつつ、メンタルヘルスの臨床コミュニティと教会との両方によって助けられたという。
「このイベントは本当に希望を与えてくれます」とマンダーニさん。「精神障害の闇を経験するのがどのようなものか私は知っています。私が経験したことを経験する――神様が望んでいることを知り、神様が私の人生でして下さったことを知ること。それが希望です。助けを求める人々の人生を変えてくれるキリストの希望なのです」
また、マンダーニさんは、「皆がこの真実――神様が自分のために存在して、(少なくとも私の例では)自分がボロボロに苦しんでいるときは、神様も涙を流して下さっているという真実を本当に理解できるかどうか、私には分かりません。神様はヨハネによる福音書11章35節に書いてあるように涙を流して下さったんです。神様は憐れみ深いからです。なぜ私を助けて下さったのかは知りませんが、私の回復の中心にはイエス様がいらっしゃったことを確信しています」
マンダーニさんが話し終えて少しした後、ウォレン氏が説明した。「脳の性質が人格を決めるのではないし、病気がアイデンティティとなるわけでもありません。精神障害と闘いながらキリストに従う者であるなら、その人格を決定するのはその葛藤ではありません。イエス様が人格を決定のです」
「皆さんが生まれる何千年も前から、神様は皆さんが今日ここに来ることを知っていました」とウォレン氏。精神障害と闘っている出席者――関係者によれば600人以上――を励ました。「神様は皆さんをここに連れてきてこう言いたいのです。『あなたは私にとって大事なんだ。私はあなたを愛している。私があなたを創造し、形作った。あなたが経験している痛みよりも偉大な計画があなたのためにある。あなたは私にとって大切で、心に適い、愛せる、役に立つ存在なのだ』と」
この12時間以上に及ぶイベントには、大会全体とワークショップの発表者としては、25人の宗教、健康、心理学に関する専門家が集められ、全米の成人25パーセント、発育期の子ども10人に1人に関係する重要な問題について、理論的課題や実践的解決が話し合われた。
集会の議題には、メンタルヘルスにおける教会の役割、身体的・精神的健康の統合、教会スタッフの危機管理、教会への情報提供、苦しむ人々へのサポートなどが含まれた。さらに、20の双方向的なワークショップでは、鬱(うつ)病、心の傷、自殺の危険減少、教会のカウンセリング、サポートグループ、病気の回復を目指した伝道、双極性障害、摂食障害、中毒、その他精神障害の問題に希望をもたらすことに関するトピックが話し合われた。
「西洋の文化――またはアメリカ文化というべきでしょうか――は、レッテルに頼る傾向があります。レッテルとは、何であろうと、色々な面で限界のあるものです」とヴァン司教は語った。「私達はいつも主の助けを得て、レッテルの後ろの、助けと癒しを求めているその人そのものを見なくてはなりません」
講演者の何人かは、多くの人々が助けを求めに駆けつける最初の場所は教会、または信仰の指導者であると指摘した。「イエスと教会の心は、常に苦しむ者たちと共にある」からだ。皆が一致したのは、教会は提供できるものをたくさん持っており、メンタルヘルスとの闘いにおいても主導権を持つべきだということだ。
「全米、世界中どこにも精神障害者のいない教会、教区はありません」とオレンジ郡精神障害全米連合代表のスティーブ・ピットマン氏は語った。「唯一の違いは、主導権を持って、話し合って、光明を投げかけたい教会もあれば、そうでない教会もあるというだけです」
■ 米サドルバック教会でメンタルヘルスに関する集会:(1)(2)