聖学院大学(埼玉県上尾市)は1日、キャンパスに桜が花開く中で、午前10時から約1時間10分にわたり、学長任職式および2014年度聖学院大学・大学院入学式をキリスト教の礼拝形式で行った。同学院の阿久戸光晴理事長・院長が同大学の学長代行を退任したことに伴い、第6代学長として、同日付で、政治学者の姜尚中(カン・サンジュン)全学教授(63、日本基督教団上尾合同教会員)が就任した。任期は5年間。
姜氏は、学長任職式での誓約で学長就任のための約束をするとともに、引き続いて行われた入学式で「友愛こそ希望」と題する式辞を述べた。姜氏は500人を超える新入生と編入生に対し、「友と出会ったということが、いま私がここに立って皆さんに話せる、大きな大きな自信の源になっている。どうか皆さん、いろいろな不安はあるかもしれない。また期待もあるかもしれない。でもそれを共に友情を温めながら生きるということ。それが皆さんに光というものをもたらしてくれます。それは皆さんにとって大きな大きな希望の糧になるのではないかと思います」と語りかけた。
学長任職式で司式を務めた同学院の阿久戸理事長・院長は、学長任職式の始めに、「学校法人聖学院が設立する聖学院大学は、キリスト教理念に基づく高等教育と研究とをもって神の栄光を表し、もって現代文化の進展と人類世界の福祉、および平和に寄与することを使命としております。学校法人聖学院はこの目的と使命を達成するために、ここに姜尚中全学教授を聖学院大学の第6代学長の職に任じます。私たち会衆一同は、これを神のみ旨によるものと信じ、この式の上に聖霊の豊かな導きがあるよう祈ります」と述べた。
学長任職式では、同大学の菊池順チャプレンによる箴言9章10節とコリントの信徒への手紙一1章18~25節の聖書朗読に引き続き、阿久戸理事長・院長が、姜氏に対する勧告を行った。
その中で阿久戸理事長・院長は、姜氏に対し、「わが学校法人聖学院が主と仰ぐイエス・キリストは、弟子たちを召して、全世界に福音の真理の伝道とそれに基づく教育をなすことをお命じになりました。この弟子たちの伝統を受け継ぐ学校法人聖学院が設立する聖学院大学は、その歴史的使命を明確に自覚するプロテスタントのキリスト教大学として、継承した信仰を文化の遺産とその教育と研究の中に生かし、さらに発展させる大きな責任を負っております。あなたは今ここにおいてその責任を自覚しなければなりません」と述べた。
それに続いて行われた祈祷で、同学院の山口博副院長は、「主イエス・キリストの父なる御神様、あなたは御血潮によって聖学院大学の設立をゆるし、御恵みによってこの25年の歴史を導かれました。このことを心から感謝し、御名を賛美いたします。ここに開学26年目を迎え、第6代の学長をお立て下さるご恩寵に、学校法人聖学院全体とともに、心より感謝を申し上げます。この尊き務めに任ぜられるこの教師を守り、聖霊の賜物を豊かに与え、その重責を全うできますよう祝福してください」と祈った。
その後行われた誓約で、阿久戸理事長・院長が、「姜尚中教授、あなたはいま神のみ旨により、聖学院大学学長の職に任ぜられようとしています。あなたはここで、わが学校法人聖学院が主と仰ぐイエス・キリストの召命によるものと信じ、み旨に従い、聖学院教育憲章並びに聖学院大学の理念に基づいて、本大学を統括・指導し、その使命達成のために努力することを約束しますか?」と問うと、姜氏は「約束します」と答えた。
これに続く任職の辞で、阿久戸理事長・院長は、姜氏に対し、「あなたはいま聖学院大学の学長として、神と会衆との前で誓約されました。私は学校法人聖学院理事長・院長として、ここに姜尚中教授を聖学院大学の学長の職に任じます」と述べ、「どうか本大学の理念を実現し、希望ある未来・明日を築き、主イエス・キリストの聖なる期待に沿い、神の栄光を表されますよう、神の御祝福をお祈りいたします。アーメン」と祈った。
さらに聖書の継承が行われ、阿久戸理事長・院長から姜氏に聖書が手渡された。(続く:姜尚中・聖学院大学新学長「最も大切なことは生涯の友と会うこと」)
■ 姜尚中氏、聖学院大学学長に就任:(1)(2)