教育基本法の改正にあたり話題となっている「国を愛するとはどういうことか」について考察する講演会が6日、聖学院大(埼玉県上尾市)チャペルで開かれた。著作『愛国の作法』(朝日新書)の著者、姜尚中氏(東京大大学院情報学環教授)が「国を愛する作法−その限界と可能性」と題して講演し、学生を含む一般人約250人が参加した。
今回の講演で、姜氏は同書を引用して1時間30分にわたり「愛国心」に関するさまざまな問題を取り上げて発題した。
姜氏は、「国籍は韓国だが故郷は熊本。『パティリオティズム』という言葉の『パトリア』とは、国のことではない、故郷への愛というような意味である」と話した。
そのうえで、「『パトリアを愛すること』と『国家を愛すること』は相容れないこともある。あらがうこともあるのである」、「『愛国心』を語りながら『愛』について語っている人はいないようだ。『国を愛する』は、感情の問題ではなく意思の問題である」などと話した。
姜氏は同大のある上尾市に在住経験があり、日本基督教団・上尾合同教会で洗礼を受けた。