優しいリーダーシップ
「Hope for the Heart Ministries(心の希望ミニストリーズ)」の設立者で最高経営責任者であるジューン・ハント氏は、夫のための「優しいリーダーシップ」という役割の大筋を説明してくれた。
ハント氏は、「健全な結婚生活では、自身以外の家族が、その能力を存分に発揮できるよう手助けすることが喜びになる。競争ではなく、強制ではなく、要求でも虐待でもありません」と主張する。
夫のリーダーシップが、妻の成長を助けるものでなければならないことを強調し、ハント氏は「夫が健全な頭(かしら)であるならば、妻を養い、守り、彼女が女性らしさをフルに活かせるよう援助します。このように、他の人に目が向くことが、キリストのリーダーシップを実践することであり、聖書が夫たちに求めていることです。妻たちは、このようなリーダーシップの方が安心を感じます。究極の目標が、わがままを通すことではなく、キリストの人格を反映させることだと分かるからです」と主張する。
ハント氏は、自身の両親の夫婦関係と同様、多くの夫が霊的リーダーシップの立場を悪用したため、一方の性がもう一方の性に対してリーダーシップを取ることに反発があることも認識している。それでもなお、同氏は第1ペテロ3章が、夫に対して「妻を気遣って生活を共にし、彼女たちを、命の恵みを共に受け継ぐ者として尊敬しなさい」と訴えていることに基づき、夫がリーダーシップを取るべきだという考え方を擁護する。
男性のリーダーシップは罪の結果か?
しかし、ハダド氏は、男性支配がアダムとイブが神に背いて罪に落ちてしまった結果現れたものだと主張する。同氏は、男性支配のリーダーシップは、社会にとって最も破壊的な要素の1つだと考えており、夫と妻がお互いに仕え合い、権限を分かち合うよう呼びかけている。
ハダド氏は「指導的地位は、仕えたり愛したりする立場のことを言うのです。聖書が、キリストが教会を愛したように、夫に妻を愛するよう求めるのは、自身を犠牲にして妻に仕えなさいと言っているのであって、自分のわがままを押し通してよいと言っているのではありません」と説明する。
またハダド氏は、愛と尊敬は、同質のものだと主張する。「聖書が、夫は妻を愛し、妻は夫を尊敬するよう求めるとき、本当は、お互いに愛し合い、尊敬し合うべきだと言っているのであって、役割が別々で固定されているという意味ではありません。男性にリーダーシップ、または権威を求めても、福音に何も貢献できません。聖書に書かれている、男性に対して『妻を導く』よう求めている全ての箇所は、実際は、『妻のために命を捨てるよう』求めているものであり、全てのクリスチャンに求められているリーダーシップであって、夫だけに求められているものではありません」と言う。