【CJC=東京】教皇フランシスコは、22日から25日までスイス東部のリゾート地ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会に向け、貧困撲滅へ参加者が一層責任を果たすよう求めるメッセージを発表した。
教皇は、企業が貧困対策に一定の貢献を果たしたと評価する一方、「社会的に疎外された人を増やした」とも指摘。「負け組」は日々の食べ物に困るような深刻な貧困に直面していると指摘した。
こうした問題に目を向けることで「全ての経済・金融活動が人間的な倫理観に基づくようになる」と強調。世界の「勝ち組」経営者らが集まるダボス会議で貧困問題に向き合うよう求めた。
教皇のメッセージは、22日の開会セレモニーの中で、教皇庁正義と平和評議会議長ピーター・コドボ・アピア・タークソン枢機卿によって読み上げられた。
フォーラムが毎年この時期に開く総会議は、今回で44回目。世界の政治・経済界の代表ら約2500人が集い、「世界の再形成:社会、政治、企業への影響」をテーマに話し合うもの。
カトリック教会からは、タークソン枢機卿の他、ナイジェリア・アブジャのジョン・オナイケン大司教、フィリピン・マニラのルイス・アントニオ・タグレ大司教、アイルランド・ダブリンのディアミド・マーティン大司教らが参加した。