教皇フランシスコは2日、ローマ教皇庁でイスラエルのネタニヤフ首相と25分間の非公開会議を行った。同日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
イスラエル政府によると、両氏はイランの核開発プログラム、パレスチナ・イスラエル紛争問題、さらには中東キリスト者の迫害問題について協議を行ったという。
これまで教皇は、中東キリスト者の迫害問題について、キリスト者の保護を行う必要を訴えてきた。復活祭においては、教皇が8万人近くのキリスト者を前に、特に迫害に苦しむキリスト者のために祈りを捧げることを勧め、「昨今、多くのキリスト者が極めて多くの国々で迫害に苦しんでいます。彼らのために心から愛をこめて祈りを捧げましょう。彼らが主の復活を感じ、慰めを受けることができるように」と伝えていた。
エジプトとシリアのキリスト者が8月と9月に暴力を伴う迫害を受けたことについて教皇は、「皆さんのうちどれだけのキリスト者が、迫害されているキリスト者のためにお祈りを捧げたでしょうか。困難の中にある家族を思うように、彼らの苦しみに対して純粋に関心をもってください。家族のひとりが苦しんでいるときに、無関心でいることができましょうか」と訴えていた。
エルサレム・ポスト紙によると、ネタニヤフ首相は教皇を来年にもイスラエルに招待する予定だという。ネタニヤフ首相はモスクワ、パリ、ジュネーヴおよびワシントンの訪問を経てローマ教皇庁を訪れていた。訪問国でネタニヤフ首相は、欧米諸国のイラン核合意に対して「歴史的な過ち」と強く批判してきた。教皇との会議の後、ネタニヤフ首相はイタリアのエンリコ・レッタ首相と会談し、「イランは原子爆弾を製造しようとしている。これはイスラエルだけでなく、イタリア、欧米諸国、さらには全世界の脅威となるだろう」と警告した。