【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)報道事務所は10月23日、独西部リンブルク教区のフランツ=ペーテル・テバルツファンエルスト司教(53)が、「司教職を続けられる現状ではない」として職務執行を停止され、同教区から遠隔地に離れるよう指示された、と発表した。
同司教は2008年1月赴任後、3100万ユーロ(約41億5000万円)を使って司教館の建設や改装に着手。個人用の礼拝堂を設置したほか、豪華な浴槽やテーブルを購入した。また、貧困者支援を目的とした昨年のインド訪問では、飛行機のファーストクラスを利用した。経費にはキリスト者が政府に納める「教会税」が使われたと見られる。実態が明らかになるにつれ、抗議の声が高まり、教皇フランシスコが同司教をバチカンに召喚、事情を聴取した。
教皇フランシスコは「貧者の教会」を掲げており、「ぜいたく司教」(独メディア)を事実上更迭したとみられる。