世界聖公会の霊的な指導者であるカンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ博士は、英ガーディアン紙とのインタビューで「クリスチャンは同性愛者から『非難されている』と思われていることで深い過ちを犯している」と述べ、クリスチャンが彼らを非難しすぎることが同性愛者の精神的な健康を害していると指摘した。
「教会は最近同性愛者に対してあまりに厳しい事を言い過ぎているのではないかと思います。そのため同性愛者には『自分がしていることで非難されている』のではなく自分の存在自体が非難されているように感じる後遺症が残ってしまいます。人間は自分の存在自体が非難されるようになると、深刻な精神的病を抱えてしまうようになります。このようなことを教会が行うべきではないと思います」と述べた。
今年12月にカンタベリー大主教の座を退く予定のウィリアムズ博士は、教会はしばしば同性愛であると認める青年クリスチャンに対して明確なメッセージを伝えきれずにいることを指摘した。
ウィリアムズ博士は英国政府が結婚に関して同性者同士であっても認めるように法律を変更する計画には反対しているものの、教会が同性愛者にとって来やすい場所にはなっていないこと、同性愛者をキリスト教の共同体に加えようとしていないことに関しては懸念を示してきた。
ウィリアムズ博士はこれまで10年間のカンタベリー大主教としての働きを振り返り「この10年間正しい事を行うことが出来たとは思っていません。もし同性愛司祭の任命に関して困難が生じた際に、もっと早く米国に出向いて、米聖公会と直接対話することが出来ていたらと思っています」と述べた。
英聖公会では次期カンタベリー大主教についてまだ決定できずにいる。最近のインタビューでウィリアムズ博士は、同氏の後継者にふさわしい人物として「神経が太く、数多くの決定するべき事項にとって自ら進んで危機を背負っていける人物」を期待している。