1980年代に米国で放映されたテレビドラマ「高まる痛み」の中で演じた俳優として米国で知られるキャメロン氏は、米大統領選を控えた現在にあって「国民が投票することの重要性を今まで一度も考えたことがありませんでした。しかし今私はひとりの父親の立場となって、船の舵をを取る人が必要であることが理解できるようになりました」と述べた。
11月に行われる米大統領選を控え、米国社会では巨額の米国債、価格崩壊、妊娠中絶、十代の自殺、家族の崩壊、麻薬、アルコール依存など様々な問題を抱えている。
キャメロン氏はこのような混沌とした米国にあって、混乱から脱出するための明確な声が発せられる必要があるにもかかわらず、ほとんどの人たちはこれらの問題の責任が誰にあるかを問うだけで終わっていると指摘し、「私たちは私達の国家がそもそもどのように建国されたのかを忘れてしまったのではないか」と述べた。
映画制作者でもあるキャメロン氏は自身の新作映画「画期的なもの―米国の宝を探索」で米国建国の精神を今一度振り返り、どのように米国が元々の精神に立ち返ることができるかを映画の中で模索し視聴者に呼び掛けている。キャメロン氏は同映画制作にあたって、映画制作者、政治家という立場ではなく、ひとりの父親として何を発するべきかを心がけて制作したという。
キャメロン氏は映画制作の過程において、建国の父がどのような先見の目をもって米国を建国しその精神を培っていったかを調査し、米マサチューセッツ州プリマスにある建国の父を記念する像について、「マサチューセッツの丘の頂上に建てられており、180トンもの花崗岩でできています。建国の父がどのように米国を建国するかを模索した戦略が書かれており、それをもって自由と正義が持続する社会が継続していくことが願われています。この天を指差した全長25メートルの女性の像の名前は『信仰』です。また彼女の額には神の知恵を象徴する星が飾られています。そして左手には聖書を持っています。この像は米国でもっとも巨大な花崗岩の像として置かれていますが、ほとんどの米国人はこの像について余り聞いたことがないのではないでしょうか。私自身もそうでした」と説明した。
続いてキャメロン氏は「建国の父」がいかに神に信仰を置き、その御言葉が真実であると信じることが社会を統治する知恵を得るために重要であるかを確信していたことを説明した。また建国の父の4人の大統領の胸像について「それぞれが自由、道徳、法と教育」に関する信仰を象徴していることを指摘した。
祖先が聖書に置いた信仰がいかに建国の父に影響を与えたかについて「私達の祖先にとって神はプラットフォームでした」と述べた。米民主党が民主党大会で政策要綱に「神」の言葉を復活させるなど改めて聖書信仰に立ち戻る動きが見られる中、キャメロン氏は「生活における聖域」について言及し、「危機を乗り越えるには信仰を適用していくべきです」と述べた。